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暁星中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「暁星中学校の理科」
攻略のための学習方法

暁星中学校理科の満点は75点、今年度の合格者平均点は45点で、ここ数年と比べると、若干難度が上がっている。幅広い知識を必要とする問題、思考力や計算力が求められる問題も含まれる。問題の形式としては、長めのリード文・図・表・グラフなどを読み取った上で答える問題が中心である。

合格に向けての学習法としては、まずは各分野の基本知識をまんべんなく身につけることが必須である。その上で、過去問を中心にレベルの高い問題を含めた問題演習をしっかり行うことが求められる。

各分野における学習法は以下の通りである。

<分野毎の学習法>

生物分野 

本年度は生物の様々な器官についての出題で、生物に関する幅広い知識が必要な問題と、問題文の読み取りが鍵となる問題で構成されていた。ここ数年では、アメンボについて、アニサキスについて、有酸素運動と無酸素運動、動物の大きさとつくり、植物の生殖、植物の補償点、人のからだの働きなどに関する出題が見られる。幅広い単元から出題されており、しっかりとした知識が求められる問題や問題・表・グラフの読み取りが重要な意味を持つ出題が見られる。学習法としては、植物・動物・人のからだの働き・食物連鎖など各単元の知識を早い段階で固め、観察結果や長めの問題文を読み取って解くタイプの問題演習にも時間をかけたい。

地学分野 

本年度は気象に関して出題され。近年では、天体に関する出題がやや多く、それ以外では、地層、大雨と自然災害、岩石、プレートと地震等についについての出題が見られる。この分野を学習する上では、月・太陽・星の動きなど天体についての学習には特に力を入れて欲しい「なぜそのように動いて見えるのか?」の理屈を理解した上で覚えて頂きたい。気象については、低気圧・高気圧・台風・風の吹き方・雲と雨・四季の天気の特徴など幅広く知識を身につけること。地層・岩石・地震・火山についての基本的な知識も固めておきたい。

物理分野 

本年は大問4の中で浮力に関して出題された。浮力に関しては2年続けての出題となる。近年の出題を見ても、力のつり合い(浮力・振り子・ばね・滑車など)の出題が多く、電気回路・電流と磁界に関する出題も多くなっている。また、光(凸レンズによる像など)・音に関する出題も見られる。他校ではあまり見られない凸レンズによる像に関する出題が過去複数回見られることには注意が必要で、本校受験者は対策が必要である。最も出題される可能性の高い力のつり合い(ふり子・てこ・滑車・輪軸・浮力・ばねなど)については、基本的な計算をしっかり練習して欲しい。電気・音などについても基本的性質を理解した上で問題演習を行って欲しい。単なる頭の中だけでの丸覚えだけでなく、実際の演習や計算をしっかり行うことが大切である。

化学分野 

本年度は大問3の中で、水の三態変化等化学的内容を含む出題が見られた。ここ数年では、ドライアイスと燃焼について、尿素の結晶、水溶液の性質、水の沸騰、ろうそくの燃焼などに関する出題が見られた。この分野の学習としては、気体や水溶液の性質、燃焼、物質の三態変化など基本知識を固めることが第一である。複雑な計算問題の出題はあまり出題されていないが、基本的な計算問題の演習はしっかり行って欲しい。

秋以降に実施される模試は、合格可能性の判定だけに注目するのではなく、苦手単元を見極めるチャンスとして考えて欲しい。特に間違えの多かった単元においては、その問題だけの解きなおしではなく、これまで使ってきたテキストや問題集を活用して「基本」の洗い直しをすることも必要である。模試の結果の分析やその後の対策については、家庭教師を有効に活用してもらいたい

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2025年度「暁星中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は30程度で75点満点、試験時間は40分で、例年通りであった。出題形式は、適語を答える問題、記号選択問題の他に、計算問題、記述問題も含まれている。
問題数がやや多く、問題文の読み取りや記述・計算にかかる時間を考えると、40分という試験時間はかなり短いできる問題から解答欄をてきぱきと埋めていく姿勢が求められる

【大問1】生物の様々な器官

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 
 ①「心臓に血液を送り出す」より「心臓」 
 ②「酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出」より「呼吸」
 ③「デンプンなどを生産」より「光合成」 
 ④「めしべに花粉が付く」より「受粉」

(2) 不要物をこしとる器官はすい臓ではなく、じん臓である。

(3) 記述問題。植物は消化に時間がかかるので、草食動物であるウマの消化管が最も長い。

(4) 発芽の3条件は、適温・水・空気(酸素)。

(5) 花の各部を選択する問題で易問。

(6) 実の絵を見て、その植物の花の絵を選択する問題。問題文中のへたの枚数が花びらの枚数と同じという説明がヒントとなる。

(7) ①と②はXしかないのでAになり、③と④はYしかないのでDになる。

生物の様々な器官についての出題。植物と動物についての幅広い知識が求められている内容。(5)までは知識さえあれば正答できる内容。(6)(7)は問題文の読み取りが鍵となる問題で、書かれてある内容に基づいて考えれば難しくはない。生物に関する知識の抜けがあれば、入試までにしっかり固めて欲しい。

                                    【時間配分目安:10分】

【大問2】気象・融雪剤について

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 日本海で蒸発した「水蒸気」は北風に運ばれる。上空で冷やされると「水や氷」の粒である「雲」になる。粒が大きくなって日本海側に雪を降らせる。一方太平洋側では晴れた日が多くなり、「放射冷却」により朝の気温は低くなる。

(2) 東京で雪が降るのは、南岸を低気圧が通過した時で、イの雲が該当する。

(3) 雪で吸収されにくく、空気で反射されにくいレーザー光や音波を用いる。積雪が多いほど、反射されて戻るまでの時間は短くなる。

(4) 気象システムの名称は「アメダス」。

(5) 記述問題。熱が発生し、水温が上昇している。

(6) 実験結果を考察する選択問題。

(7) 記述問題。(6)(7)より融雪剤が溶けると熱が発生し、雪がとける。また、融点が下がるために凍りにくくなる。

前半は気象に関して、後半は融雪剤についての出題。気象についての知識問題は確実に正答して欲しい。後半は実験結果の読み取りが鍵となる。
気象については、日頃からご家庭以内のテレビ等を通じて、天気予報やニュースに関心を持つことが大切である。

                                    【時間配分目安:10分】

【大問3】ガトーマジックについて

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 記号選択と記述問題。問題文の「砂糖にはタンパク質をコーティングして形を固定する役割がある」より、ハンドミキサーで泡立てた後に砂糖を加える。

(2) 記述問題。泡が立っているメレンゲは空気を多く含んでいるので軽い・

(3) 平らなバットに熱湯を入れていることがヒント。水の方が水蒸気よりも熱を伝えやすい。

(4) 水が水蒸気に変わるときには、まわりから熱を奪う。

(5) 記述問題。クリームチーズの密度がブルーベリーの密度より大きいことを記述すればよい。

(6) 
 A:300℃であることから水蒸気 
 B:水蒸気が冷やされてできるので水 
 C:気体の水蒸気が液体の水になった 
 D:100℃を超えていることから表面の水は蒸発する。

ガトーマジックについてという非常にユニークなテーマの出題になっていて、問題文の読み取りが非常に重要になってくる。熱の伝わり方・密度・水の三態変化など物理・化学の知識も必要となり、全体的に難度が高めある。

                                    【時間配分目安:10分】

【大問4】電子レンジについて・浮力

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1) 記述問題。問題文がヒント。食器には水が含まれていない。

(2) 問題文の「出力を切り替えると・・・時間が変わります」より、速く温まる。

(3) 500Wで210秒温める必要があるので、500×210より105000J。

(4) 500Wで210秒温める必要があるので、1000Wでは210÷2より1分45秒。

(5) 問題文中の「氷の体積はもとの水のちょうど1.1倍になる」を使って計算すると、1÷1.1より四捨五入して、0.91g/㎤。

(6) 1辺5㎝の立方体の重さは、5×5×5×0.91より、113.75。浮力と重さがつり合っていることから、水の中に浸かっている部分の体積が113.75㎤になっている。従って、5-113.75÷25より、0.45㎝。

(7) 氷に働く浮力が125gになったので、125-113.75より四捨五入して、11g。

(8) 記述問題。水よりも食塩水の方が密度が大きいので、塩を溶かすことによって、氷に働く浮力が大きくなる。

前半は電子レンジについて、後半は浮力に関しての出題であった。前半は問題文に書かれてある内容に従って解き進めれよい。後半は浮力についての出題。浮力についての日頃の練習が成果として発揮しやすく、逆に浮力が苦手な人にとってはやや厳しい内容。昨年も浮力について出題されており、本校受験予定者は、しっかり練習しておきたい。

                                    【時間配分目安:10分】

攻略のポイント

大問4題での出題であった。本校の理科の出題では毎年ユニークな内容をテーマにした出題が見られる。今回は大問2で融雪剤について、大問3でガトーマジックについて、大問4で電子レンジについて出題された。特に、大問3のガトーマジックに関する問題は、内容の理解が難しく、正答率も低かったと思われる。全体の傾向としては、知識だけで解ける問題も多く、知識問題と思考力や計算を必要とすると問題がバランスよく配分されている。テスト時間は40分と十分あるので、問題の読み取り・理解・計算をていねいに行うことを意識して欲しい
学習を進める上では、基本知識の習得を夏休みまでを目途に行い、秋以降は過去問またはそれと同傾向の問題演習をしっかり行って欲しい。演習に使う問題の選択については、家庭教師などに相談して欲しい

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