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慶應義塾高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「慶應義塾高等学校の国語」
攻略のための学習方法

出題されているような論理的な文章を短時間内に理解する読解力を身につけるためには、日頃から物事を自分の頭で考える習慣が不可欠である。
自分の頭で考えるということは、ある事象に対する判断の基準を「その場で思いついたひらめき」や「自分の好き嫌い」に求めるのではなく、自分が導く結論に対して「説得力ある論理展開」を行っているかどうかの要素が不可欠である。
それでは「説得力」とは何か。一言でいうならば、誰が聞いても「納得できる」ということである。ある主張に対して自分の結論は、「賛成」でも「反対」で構わない。大事なことは結論がどうであれ、その結論に至る「論理プロセス」の成熟度である。
このようなスキルは、試験の2週間前位に一夜漬け的に知識を詰め込んでも、合格点には届かないだろう。まずは自分の頭で考える。そして、次の段階では「頭で考えたこと」を「自分の言葉で書き出す」訓練である。
人間は、頭で考えたことが100だとすると、それが発言すると10になり、文章で表現するとわずか1になってしまうと言われている。それだけ、自分の考えを言葉として文章表現することの難しさを端的に表しているのだろう。
各出版社が発行している新書を読むのも論理的文章に親しむには効果的である。大きく分類すれば、自然科学系、社会科学系と分れるが、どの分野の新書を読むかは、基本的には「自分の好み」に基づいて選択すればいいだろう。
ただ、文字だけを表面上で読むのではなく、じっくり筆者の論理展開を辿っていく姿勢が大事である。余裕があれば、要旨を紙に書き出してみるということも効果的である。そのように、自分の考えをまとめあげる作業を行えば、必ず自身の論理的思考力を着実に高めてゆくことが可能となるだろう。

慶應義塾高校入試問題では、かなりの割合で知識問題が出題される。漢字の書き取り・読み、国文法(動詞の活用形、助詞)、文学史などである。
現古融合問題の場合は、古文に対する現代評論文が出題される。古典文法の知識は欠かせないのは言うまでもないが、その古典作品に関する現代評論を読み解く力は現代文の読解力である。
特に、現代文、現古融合の問題で扱っている話題が、言語論や芸術論の場合には性質上書かれている内容が抽象的にならざるを得ない。そのような抽象的文章を読み慣れていないと、試験当日に初見でそのような文章を読み解くことは不可能であろう。
ただし、そのような文章でも攻略するための手掛かりは必ずあるものである。
例えば「キーワード」。何度も繰り返されている単語や表現があるかどうか。そのような単語があればチェックを入れ、本文全体の流れの中でその「キーワード」がどのような役割を担って使用されているかを考察すれば、論理の組み立てを正確に把握することができる。
また「接続詞」も大事である。接続詞を丁寧に辿ることにより、段落ごとの筆者の主張の流れの概略を理解することができる。
いずれにしても、論理性の高い文章の内容把握を正確に行うために、日頃から「自分の頭で考える」ことを念頭に置き、考えたことを「文章にまとめてみる」という学習習慣を身につけて欲しい。そのような作業を通じて、自分の理解力と表現力のレベルが認識できるものである。

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2015年度「慶應義塾高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、社会科学系(現代社会)に関する随筆の総合読解問題である。本問読解と設問解答を併せて時間的には35分で仕上げたい。50字前後の記述問題の対応も十分な準備が欠かせない。また、漢字問題も結構なボリュームがあるので、知識問題の一分野として押さえておきたい。
大問2は、言語学系(読書)に関する随筆の総合問題である。基本的古典文法事項や文学史はしっかり覚えたい。また、内容把握と記述問題(適切箇所抽出)に対する準備もしっかり行いたい。

[大問1]

  • 時間配分:

社会科学系(現代社会)随筆総合問題。設問解答も含め、35分以内には完了したいところ。出典は、『言葉と歩く日記』(多和田葉子著)。

問1は、内容理解度の問題<1分>。
外国語を勉強していることは、外国語を通して母国語を見ていることである。これを踏まえて、適切な選択肢を選ぶ。

問2は、内容把握問題<1分>。
空欄の直前に「外来語と同じ」とある。「何が」外来語と同じなのかを考えると、選択肢は一つに絞り込める。

問3は、文脈把握問題<2分>。
「共有ではなく、むさぼり喰う」という部分が、何を表現しているのかを考えると、本文の「人の話がどんどん吸い込まれていく」という表現が結びつくであろう。「むさぼり喰う」と「吸い込まれていく」が、本文でほぼ同義で使われている。

問4は、文学史の問題である<1分>。
常識として瞬間的に選択できなければいけない。

問5は、内容把握問題<3分>。
「個々の駒」とは何かを考える。本文直前に「井上靖の『氷壁』を読み返した」とあるので「駒」とは「小説に登場する個々の人物」であろうことは容易に察しがつくであろう。さらに、その「駒それ自体」が「変豹しない」ことというのはどういうことなのか、つまりは「物足りなさ」を感じるということである。

問6は、内容把握問題<1分>。
本文に「ドイツの新聞と比べて日本の新聞の書き方が曖昧だった」という部分から、正しい選択肢は絞り込める。

問7は、内容把握問題<1.5分>。
日本人にとって「炉心溶融」は母国語、「メルトダウン」は外国語であるという違いを踏まえ、かつ本文での筆者の主張を考えあわせる。

問8は、四字熟語の問題<2分>。
常識問題として完答したい。四文字熟語はしっかり押さえておくこと。

問9は、内容把握問題<4分>。
本文中に、『「炉心溶融」には、暖炉の中で炎がゆらめき、何かが溶け合って融合する美しいイメージさえある』という部分と、『一瞬のうちに社会も経済もダウン、奈落に落ちていくイメージがある』という部分が手掛かりとなろう。

問10は、内容把握問題<6分>。
本文中の「この町(ティオンヴィル)には原発があり、子供たちは生まれた時からそれを見て育っている。薬屋にはいつも町の人全員が買えるだけのヨードが置いてある。だから、原発は危険だという話は信じたくない。福島の原発事故はショックだったが、それは日本の技術が低いからで、フランスには事故はない、と思い込まされている」という部分から、原発に対する日仏の捉え方の違い、両国民の原発に対する認識(肌感覚)の違いを読み取る。

問11は、内容把握問題<4分>。
本文中に、「外国語を勉強したことがなければ、母語を外から眺めることが困難になり、言語について考えようとした時にそれがなかなかできない」
とある。

問12は、漢字問題<4分>。
全問正解して欲しいが、⑤ジタイ、⑥セッパは書けるだろうか。

[大問2]

  • 時間配分:

言語学系(読書)に関する随筆総合問題である。本文読了および設問解答で25分以内には終了したいところ。出典は、『本の中の世界』(湯川秀樹著)。

問1は、日本文から漢文への返還問題<2分>。
漢文の読み方をしっかり覚えておこう。

問2は、内容把握問題<1分>。
人間は皆に、目や口や鼻があるが、誰にそのような穴がないかを考える。

問3は、内容把握問題<1分>。
人間には穴が、左右の目(2つ)、左右の耳(2つ)、鼻(2つ)、口(1つ)で合計何個の穴があるかを考える。

問4は、文学史の問題<1分>。
常識問題として落としてはいけない。

問5は、内容把握問題<3分>。
本文中に「老子や荘子は、自然の力は圧倒的に強く……極端だと思いながらも強く引かれた。高等学校の頃からは、……それで相当長い間、老荘思想から遠ざかっていた」という個所から設問に答えられるであろう。

問6は、内容把握問題<3分>。
本文中に「一番基礎になる素材に到達したいのだが、その素材が三十種類もあっては困る」という部分をまとめればよい。

問7は、適語選択問題<3分>。
本文中のカッコの前後をよく読み、文脈の流れを把握したうえで適切な選択肢を選ぶこと。

問8は、内容正誤問題<3分>。
本文中より、ギリシャ思想と老荘思想の特徴と差違を読み取ること。

問9は、内容把握問題<4分>。
筆者にとって、「荘子」は「深い思想」であり「名文」であるが、「論語」や「孟子」は「おしつけがましい」感じがしたのである。

攻略ポイント

出題されている文章を「読み込む力」がないと、正解にたどり着くことが難しいであろう。
さらに、試験時間と問題数と設問内容の密度の濃さを考えると、見直す時間的余裕はないものと思ってもらいたい。したがって、自分の解答が納得のいくものとするためには、極めて高い読解力と解答力(特に、記述・論述能力)が必要となる。
それでは、そのような能力は如何にして身につくのか。
結論から言えば、「論理的な文章の文脈を常に自分の頭で追いながら、論点は何か、筆者の主張の展開はどうなっているのか」ということを最高度に意識することである。
そして、自分の頭で考えたことを次の段階で、文章に表現してみることである。そのような訓練をしておかないと、いくら良いアイディアが頭に浮かんだとしても、過不足なく文章でそれを相手に伝えるということが不可能だからである。
したがって、「自分の頭で考え、考えたことを『文章』として外部に向かってより分りやすく表現する能力」が必要となるのである。その他には、漢字、文学史、文法事項などの知識問題にも対応できるように、知識は豊富にしておきたい。

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