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慶應義塾高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「慶應義塾高等学校の国語」
攻略のための学習方法

出題されているような論理的な文章を短時間内に理解する読解力を身につけるためには、日頃から物事を自分の頭で考える習慣が不可欠である。
自分の頭で考えるということは、ある事象に対する判断の基準を「その場で思いついたひらめき」や「自分の好き嫌い」に求めるのではなく、自分が導く結論に対して「説得力ある論理展開」を行っているかどうかの要素が不可欠である。
それでは「説得力」とは何か。
一言でいうならば、誰が聞いても「納得できる」ということである。ある主張に対して自分の結論は、「賛成」でも「反対」でも構わない。大事なことは結論がどうであれ、その結論に至る「論理プロセス」の成熟度である。
このようなスキルは、試験の2週間前位に一夜漬け的に知識を詰め込んでも、合格点には届かないだろう。まずは自分の頭で考える。そして、次の段階では「頭で考えたこと」を「自分の言葉で書き出す」訓練である。人間は、頭で考えたことが100だとすると、それが発言すると10になり、文章で表現するとわずか1になってしまうと言われている。それだけ、自分の考えを言葉として文章表現することの難しさを端的に表しているのだろう。

各出版社が発行している新書を読むのも論理的文章に親しむには効果的である。大きく分類すれば、自然科学系、社会科学系と分れるが、どの分野の新書を読むかは、基本的には「自分の好み」に基づいて選択すればいいだろう。
ただ、文字だけを表面上で読むのではなく、じっくり筆者の論理展開を辿っていく姿勢が大事である。余裕があれば、要旨を紙に書き出してみるということも効果的である。そのように、自分の考えをまとめあげる作業を行えば、必ず自身の論理的思考力を着実に高めてゆくことが可能となるだろう。

慶應義塾高校入試問題では、かなりの割合で知識問題が出題される。漢字の書き取り・読み、国文法(動詞の活用形、助詞)、文学史などである。現古融合問題の場合は、古文に対する現代評論文が出題される。古典文法の知識は欠かせないのは言うまでもないが、その古典作品に関する現代評論を読み解く力は現代文の読解力である。
特に、現代文、現古融合の問題で扱っている話題が、言語論や芸術論の場合には性質上書かれている内容が抽象的にならざるを得ない。そのような抽象的文章を読み慣れていないと、試験当日に初見でそのような文章を読み解くことは不可能であろう。
ただし、そのような文章でも攻略するための手掛かりは必ずあるものである。例えば「キーワード」。何度も繰り返されている単語や表現があるかどうか。そのような単語があればチェックを入れ、本文全体の流れの中でその「キーワード」がどのような役割を担って使用されているかを考察すれば、論理の組み立てを正確に把握することができる。
また「接続詞」も大事である。接続詞を丁寧に辿ることにより、段落ごとの筆者の主張の流れの概略を理解することができる。いずれにしても、論理性の高い文章の内容把握を正確に行うために、日頃から「自分の頭で考える」ことを念頭に置き、考えたことを「文章にまとめてみる」という学習習慣を身につけて欲しい。そのような作業を通じて、自分の理解力と表現力のレベルが認識できるものである。

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2016年度「慶應義塾高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、芸術・文学・言語分野に関する論説文の読解問題である<30分>。出典は、大岡信著『古典のこころ』である。接続詞、四字熟語、文学史や品詞などの典型的出題もある一方、古今和歌集に関する基本的知識を問う問題がある。

大問2は、自然科学分野に関する論説文の読解問題である<30分>。語句や記述問題(50字の記述が2題)があり、内容を正確に、かつ、いかに早く理解するかがポイントである。

【大問1】芸術・文学に関する論説文であるに関する問題

  • 時間配分:30分

出典は『古典のこころ』(大岡信著)。古今和歌集に関する基本的知識は必須である。文学史を含めて、参考書などで事前に確認をしっかり行って欲しい。

問1は、表現・接続詞に関する問題<3分>。
aは『古今和歌集』を読むとどのように感じるか。
bは接続詞の問題。
dは『古今和歌集』の伝統は、以後長い期間切れ目なく支配的であった。
eは今言ったことをさらに具体的に言うと。
fは接続詞の問題である。

問2は、四字熟語に関する問題である<2分>。
gは「すべてが疑わしく思うこと」であるので『疑心暗鬼』、hは「文章の組み立てのこと」なので『起承転結』である。これは完答したい。

問3は、文学史に関する問題である<2分>。
『古今和歌集』は宮廷文化の中から生み出されたのである。平安時代の都はどこであるか。

問4は、品詞に関する問題である<2分>。
①「その」は連体詞、②「こう」は副詞、③「それ」は代名詞である。

問5は、古今和歌集に関する文学史的問題である<3分>。
一は古今和歌集の成立年の問題で、成立年は905年。
二は和歌に関する内容把握問題である。各和歌の季語や状況の推移をしっかり捉え、順番を決めること。

問6は、古典の知識に関する問題である<1分>。
春が始まるとされる「立春」は、現在使用している暦では、2月4日頃である。

問7は、指示語に関する問題である<2分>。
四季の歌は「一つの円環をなして一年の季節を歌って」いるのである。

問8は、文章内容に関する問題<2分>。
日本の歌は「ある一つの精神共同体、あるいは趣味の共同体、そういうものの中でつくられ、かつ享受されて」いるということを手掛かりに考える。 

問9は、文章内容把握問題である<5分>。
『古今和歌集』以後の和歌は、「『古今和歌集』やその他の勅撰集に出ている歌を踏まえて」詠まれたのである。この事実を手掛かりに解答すること。

問10は、漢字に関する問題である<5分>。
①はありさまのこと。
③は考察する際の目のつけどころ。紛らわしい漢字はあるものの、完答を目指したい。

【大問2】自然科学分野(科学)に関する論説文読解問題

  • 時間配分:30分

アインシュタインの『相対性理論』を手掛かりに、科学上の知識の真価を知るということはどういうことなのかについての論説文である。出典は、『相対性原理側面観』(寺田寅彦著)。

問1は、語句に関する問題である<2分>。
常識問題として完答したい。

問2は、表現に関する問題である<2分>。
本文の内容を正確に読み文脈をしっかり押さえて解答すること。

問3は、内容把握と文脈に関する問題である<2分>。「この後の部類」とは何なのかを考える。

問4は、要旨に関する問題である<3分>。
本文をしっかり理解したうえで、適正に判断する。

問5は、内容把握問題である<4分>。
ある学説を「理解」するための条件は何か。

問6は、内容把握問題である<4分>。
「科学上の知識の真価を知る」ためには「科学だけを知ったのでは不十分」である。

問7は、内容把握問題である<5分>。
50字以内の記述問題。ニュートンの法則は、アインシュタインの相対性理論の出現によって可能になったのである。

問8は、内容正誤問題である<3分>。
「絶対的『完全』」ということはなく、その説の「完全の程度」が高いか否かの問題である。

問9は、内容把握問題である<5分>。
50字以内の記述問題。学者としては「一つの学説を理解するため」に「その短所を認める」とともに、「長所」を見逃さずに「学説の補填」に努めるべきである。

攻略ポイント

出題されている文章を正確かつ迅速に「読み込む力」がないと、正解にたどり着くことが難しいであろう。さらに、試験時間と問題数と内容密度の濃さを考えると、見直す時間的余裕はないものと思ってもらいたい。したがって、合格するためには極めて高い読解力と解答力(特に、記述・論述能力)が必要となる。

50字以内の記述問題が2題出題されている。50字という字数で自分の考えをまとめるという作業は、高度な文章要約力が求められる。そのためには、論理的な文章の文脈を常に自分の頭で追いながら、論点は何か、筆者の主張の展開はどうなっているのか、ということを最高度に意識することである。そして、自分の頭で考えたことを次の段階で、文章に表現してみることである。

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