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浦和明の星女子中学校 入試対策

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2014年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

[問題を解くスピード]
1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」と「標準的な問題における正答率の高さ」である。
まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない。
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。
実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。しかしこれらの設問を2分以内で解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば最低3分は欲しいところだ。
しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ。
そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

[省略]
コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる男子A(不特定多数の生徒である)に比べればよほど模範的な解き方と言える。
しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう。
平成26年度の大問Ⅰを例に取ると、
(1)では、分母のかけ算は行わないという技術を用いたい。
(2)では線分図を書かずにはじめからかかった時間をそれぞれ求める式を立てる。
(3)では「全体の個数を①とおいて」のような前提は書かずにすぐに使い始めて式を立てる。
(4)では与えられた図の「等しい辺」にさっさと印をつけ、わかる角度には暗算を試みる。
…といった具合である。はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないものだ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

[推理・速さ・水そう・割合と比]
次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」
「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。
「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な解答に至らないことがままある。
次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする。
そして問題を解いていくわけだが、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。
「速さの問題」では、旅人算と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やすのが賢いやり方だ。
「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。仕事算風なもの、図形的に解くもの、26年度のようにグラフをからませたものとさまざまである。推理算と並んでぜひ得点をしておきたいところである。受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。
「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる。

[まとめ]
以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが70%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格を掴み取って欲しい。

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2014年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が28。
一月女子の最難関校だけあって、質・量ともに他を圧倒するものがある。50分に対して問題量は多いといわざるを得ない。

最初の小問集合は、通常の学校とはちがい「速読即解」というレベルのものではなく、作業も細かいので、テキパキと問題を処理していかないと、たちまち時間不足に陥ってしまう。

後半は問題文が長く、与えられる条件も複雑な問題が並ぶ。ここでも、問題の内容を素早く理解し、適切に対応していけなくてはならない。
設問によっては急に難易度が高くなるところがあるが、そこにこだわるかどうかも自らで選択できるようになっていく必要がある。

全体として、難関校の名にふさわしい、すばらしい出来映えのテスト内容を誇っていると言えよう。

【大問Ⅰ】小問集合

  • 時間配分:20分

計算問題から、手応えのある図形まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。ここを少なくとも20分、できれば15分程度で通過したい。となると、1問にかけられる時間は2~3分程度。「そんなことできない」ではなく、出来るようにしておかなくては「合格」は見えてこない。

(1)ここでは、分母のかけ算をしてしまうと手がつけられなくなる。分子のほとんどが「1」になることを見越して計算をしていくという、頭を使う問題になっている。普段から、「計算問題→闇雲に計算をして、答えが当ればいい」ではなく、賢い解き方をつねに考えながら問題にあたることが肝心。もちろん時間を多くかければ解けるだろうが、それはもはや「負け」である。問題は適切な時間の中で解けなければいけない。
(2)速さの公式をそのまま使う問題で、シンプルである。しかしまたしても処理を誤ると時間ばかりかかってしまい、またもや「負け」。時間を分数として処理し、公式を使うとたちまち答えが出てくる。まさか、「時間」を「分」に直してしまう生徒はいないと思いたいが…。
(3)売れた個数を①として、14,400円にあたる割合を求めていくという典型的な問題。(3)は解き方を知っていたかどうかで正解不正解が分かれそうだ。もちろん、正解しておきたい。
(4)これは小4の教材に出てきそうな問題。
(5)条件の与えられ方が難しそうに見えて一瞬ひるむが、「濃さ」「食塩水の重さ」「食塩の重さ」をまとめて表にすると、実は単純な問題であることが分かる。「水の重さ」が答えである点にだけ注意したい。
(6)斜線部分をいっぺんに求めずに、愚直にそれぞれ求めて加えればかなり基本的な問題になる。答えが割り切れてしまうので四捨五入しないで解答してしまわないかが心配だ。
(7)この展開図の問題は面白い。模範解答通りにやると時間がかかるので、側面に来ると考えられる面に印をつけていくと、最終的に底面と向き合う面が残るはずである。しかし、ここは急に難度が上がっている。出来ない場合もあるだろう。
(8)この問題も既視感はあるだろうが、それよりは複雑な作りになっている。(ア)と(イ)では解くのに使う労力も異なり、よく考えられた問題になっている。【大問Ⅰ】の中では、(7)と(8)の苦戦はやむを得ないかも知れない。

【大問Ⅱ】水そうとグラフ

  • 時間配分:8分

頻出単元の一つ。水そうとグラフの問題。
底面の長さや容積が与えられていないので、水の高さと時間から答えを出していくわけだが、この問題をどう評価するかで本年度問題への見方が決まりそうだ。つまり、問題の前提に対して設問が簡単すぎるのだ。言い換えれば、簡単に解けてしまうというべきか。
複雑に考えることも出来るのだが、模範解答を見ると「なんだ~それでいいのか」となってしまうこと請け合いである。これは(1)(2)に共通して言えることで、3分で全問解けてしまうことも可能だし、10分かけてやっと正解してもおかしくはない。

【大問Ⅲ】速さの問題(旅人算)

  • 時間配分:8分

【大問Ⅱ】ほどではないにせよ、受験生が構えたほどには迫ってこない問題かもしれない。しかし、与えられた条件は複雑であり、そこをうまくまとめてから問題にあたろう。
(1)は、所要時間さえ計算ミスしなければ超基本的な問題。
(2)は、(3)への布石となってはいるが、はじめに星男君がCを通るときに明子さんがBを通過しているのが簡単にわかるのがちょっと残念な設問。ここも出来るだろう。
(3)は、難易度アップ。2つの点がそれぞれの図形上を移動する問題は数十年の歴史をもつ応用問題の一つだが、これを本番の会場で解かなくてはならないとなるとやはり厄介だ。二人が出会うところはCD間しかないので、塾や先生に学んだように表を作ってCD間にいる時間を調べていくことになる。なかなか出会わないが最後に二人ともCD上にいる時間が見つかる。

【大問Ⅳ】推理算

  • 時間配分:6分

見た目は「普通」の推理算だが、後半にユニークな質問が待っている。(ユニークと分るかどうかが重要ではあるのだが…)
ア・イは、話の内容を表にまとめればあっさりと解ける。問題はここから。
お母さんの話す順番に解こうとすると、どうしても答えが決められなくなる。そこで、先にAさんの言葉からエ・オ・カを求めてから、ウに戻って考えると答えが分かるという非常にずるい形式になっている。「何人かが階段に座っていて、相手の帽子の色をあてる」とんち問題のような、妙な気持ちにつつまれる問題である。しかしここで失点してしまうと苦しくなる。

【大問Ⅴ】割合の問題

  • 時間配分:8分

変わった出題なので、まず問題がいわんとしていることが理解できている必要がある。
理解できさえすれば(1)はやさしいだろう。
(2)は、ポイントを1つ増やして具体的にどう変わるかを調べてみると活路が見いだせそうだ。
(3)これは難しい。手をつけず、他の問題の見直しに回ろう。

攻略のポイント

すべての設問を、難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。
◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、
【大問Ⅰ】(1)~(5)…◎、(6)…○、(7)…△、(8)…△・▲
【大問Ⅱ】(1)・(2)…○
【大問Ⅲ】(1)…◎、(2)…○、(3)…▲
【大問Ⅳ】ア・イ…○、ウ…▲、エ・オ・カ…△
【大問Ⅴ】(1)…○、(2)…△、(3)…×
となり、このうち◎と○の設問をすべて正解すると「64」点となり、受験者平均「62.5」点を超え、合格点と考えられる「65~70」点に接近する。
この上で、△問題または▲問題をあてられると合格がよく確実になるというのが現状である。

これは受験生にとっては、なかなか厳しいデータである。
標準的な問題においてのミスはほぼ許されない。また、苦手な内容もできるだけ存在しないように努めなければならない。
◎・○の問題が標準的とはいってもあくまでも「明の星」水準であって、もしこれらの問題をノーミスであてられるようならば、誰も文句を言うものはないだろう。
ただ、それでも少し足りないというのが合格ラインの高さを表わしている。
しかしながら特殊な能力を必要とする問題はない。あくまでも、受験算数をきわめていきさえすれば超えられる内容とは言える。

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