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浦和明の星女子中学校 入試対策

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2019年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

問題を解くスピード

1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。
どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」「標準的な問題における正答率の高さ」である。

まずは、「問題を解くスピード」
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない。
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。

実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。しかしこれらの設問を2分以内で 解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば 最低3分は欲しいところだ。
しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。

どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ。
そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

省略

コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験 生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる男子A(不特定多数の生徒 である)に比べればよほど模範的な解き方と言える。

しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう。
はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないもの だ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの 顔「速読即解」スタイルが必要となる。

しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

推理・速さ・水そう・割合と比

次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」
「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。

「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、 わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な 解答に至らないことがままある。
次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする。
そして問題を解いていくわけだ が、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。

「速さの問題」では、旅人算 と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図 をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やす のが賢いやり方だ。

「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。仕事算風なもの、図形的に解くもの、31年度は【大問2】がそれにあたる。受験生が苦手としやすい内容だが、少なくとも典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。

「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、 作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる。

まとめ

以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが60%,問題の易しい年だと70%という高い水準でのテスト(本年度では70%強!)である以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格をつかみ取って欲しい。

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2019年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が24。
設問数は昨年度の19から増えたものの、問題がやさしかったこともあり、時間不足に陥ると言うことはないだろう。ただし学校自体の難度が示すように、合格最低点から考えると、この水準の問題をほぼ完璧に正答していくのはもちろん簡単ではない。
それほどスピードを要求されるわけではないものの、「早く、正確に問題を解く」は最低限要求されてスキルだ。

【大問1】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

(1)の計算問題から(7)の図形まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。
ここを長くて20分、できれば15分くらいの所要時間で通過したい。
本年度の解答欄は「8」あった(昨年度も同じく「8」)ので,1問当たり2分前後で解けるよう準備をしておきたい。

(2)は平面図形と比の問題で、長方形Dの面積が求まれば全体の正方形の面積もわかるので自ずから正解に到達できると思う。

(3)はオーソドックスな円とおうぎ形の問題で、「円の中心から補助線を引く」技術があればこれも苦にするレベルの問題ではない。

(4)は比を用いて式を立てる問題だが、これまでの問題に比べると若干難易度が上がり、ここから点差が開き始めると思われる。桃や梨の個数の比をとおいて等式を立てる訓練を積んでおきたい。

(5)は植木算風味の差集め算で、大問1では最も苦戦を強いられる問題か。10cmずつ植えたときと15cmずつ植えたときの全体の差を求めて…というように条件をうまくまとめられるかがカギ。

(6)は明の星の特徴である推理算ではあるが、問題の意味を理解すればあっさりと解けてしまう。

(7)はテープを折り曲げて正五角形を作る図形の問題であまり見たことがないことからあせるかもしれない。矢印の先にある正五角形を使って考えればあまり難しくはない。

【大問2】立体図形(水そうグラフ)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

昨年度の大問2に続いて、本年度も吹奏グラフの問題が出された。
2つのしきりと蛇口が2つということで問題を複雑に使用と思えればいくらでもできそうなものの、最後の(3)まで標準レベルの域を出ない。
当校受験生であれば必答しておきたい大問である。

(1)ははじめて水そうグラフの問題に取り組んだ日を思い出させてくれるような基礎的な設問。

(2)(1)ができてさえいればかなり基本的な設問である。

(3)のみ、やや癖がある設問になっていて合否を分ける設問の1つとなっただろう。
とはいうものの、24cmまでの水の体積から蛇口Aが先に入れた水量をひいて、残った体積をABの和で割るだけ。

塾の問題の方がずっと難しかっだろうと思わせる内容なので、いずれも明の星対策として受験勉強を積んできた生徒であれば難なくこなせたものと思われる。

【大問3】規則性の問題(三角数と四角数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

はじめに「三角数」と「四角数」の説明がなされ、それをしっかり読んでからたくさん設問に答えていくという形式になっている。
「三角数」や「四角数」という名称を知らなくても説明を読めば「ああいつも使っているあれか」ということで問題を解いていくのも抵抗はないだろう。
ただ平易な設問とはいえからまで6つの解答欄があるのでここは全問正解しておきたい。一番引っかかるとしたら「エ」だろうなという気はする。

また、解いていきながら「a番目の三角数と(a+1)番目の三角数の和は、(a+1)番目の四角数と等しい」という規則には気づいた上で後半の設問を解くの使えるようにしておきたいにおきたい。

【大問4】速さの問題(速さと比)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度の問題が昨年度のものに比べて解きやすかった(平均点が高かった)とすれば、それはこの2年間の「速さの問題」の差であったと言っても過言ではない。昨年は合否を分ける重要な大問だったのに対し、本年度のものは受験生のみなさんに得点を与える問題となっている。

(1)は「2人の速さの和」と「明男くんの速さの比」をかかった時間の逆比を使って求めれば良い。といってもほぼ全員が出来ていることだろう。

(2)(1)の答えから池の周囲の長さを比の大きさで表し、途中から速さを変える星子さんには「つるかめ算」で対応したい。

ここもきっちりと正解しておきたい。

【大問5】立体図形(表面積)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

本年度最後の大問は、立体図形に推理のヒントも加えた、浦和明の星らしい面白い問題になっているが、いかんせん前半の設問が基礎的なものなので最後の設問()を除けば点差がつかなくなっている。

まず問題文をしっかり読んで条件をしっかりと頭の中に入れること。
と解き進むにつれて問題の真意がつかめてくる。つまりこの問題は段階を経ての設問に答えさせようという作りになっている。
はたして、をペアであてられたかどうか…ここができるようであれば満点ものぞめただろう。

攻略のポイント

例年どおり,すべての設問を難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。

◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、

◎…【大問1】(1)(2)(3),【大問2】(1)(2),【大問3】(1),【大問4】(1)、【大問5】ア・イ・ウ
○…【大問1】(4)(6)(7)ア、【大問2】(3)、【大問3】(3)、【大問4】(2)
△…【大問1】(5)(7)イ、【大問3】(2)
▲…【大問5】エ・オ

このうち◎と○の設問をすべて正解すると80点になり、合格点と考えられる「75」点を上回る点数がとれることになる。
本年度は全般に難易度が平易であったことが特徴で受験生・合格者の平均点とも例年を大きく上回っている。70点取れても合格がおぼつかない学校というのはそう多くはあるまい。つまり、問題はやさしくても合格は難しいのである。
しかしながら、難関校特有の難問は見当たらず、標準的な問題での正答率が重要視される学校であることは間違いない。普段から中程度の問題を多く解き、分野によって苦手な分野を作らないという姿勢が大切である。

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