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浦和明の星女子中学校 入試対策

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2016年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

[問題を解くスピード]
1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」と「標準的な問題における正答率の高さ」である。
まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない。
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。
実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。しかしこれらの設問を2分以内で解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば最低3分は欲しいところだ。
しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ。
そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

[省略]
コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる男子A(不特定多数の生徒 である)に比べればよほど模範的な解き方と言える。
しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう。
平成28年度の大問1を例に取ると、
(1)では、小数を分数に、しかも「0.625」[0.4」をすぐに分数に直せる
(2)ではAとBの仕事量と全体量とすぐ比で出せる
(4)では与えられた図の上にささっと円の軌跡を書き込める
(7)では立体の切断面をすばやく書き込める
… といった具合である。はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないものだ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの 顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

[推理・速さ・水そう・割合と比]
次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」
「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。
「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な解答に至らないことがままある。
次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする。
そして問題を解いていくわけだ が、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。
「速さの問題」では、旅人算と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やすのが賢いやり方だ。
「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。仕事算風なもの、図形的に解くもの、28年度は【大問3】のニュートン算がそれにあたる。受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。
「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる。

[まとめ]
以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが60%、問題の易しい年だと70%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格を掴み取って欲しい。

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2016年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が23。
本年度は例年に比べると若干問題量が少なめであった。しかしそれはこの学校で、ということであって、50分に対して問題量はやはり多いといわざるを得ない。問題数と言うよりは、問題文の分量が多いと言うべきかもしれない。とにかく1問あたりの文字数が多い、という印象だ。

最初の小問集合は、典型的な問題が並び、すばやく正解を並べていきたい。

後半は問題文が長く、与えられる条件も複雑な問題が並ぶ。与えられた時間を考えると、問題の内容を素早く理解し、適切に対応していかなくてはならない。
全体として、難関校の名にふさわしい、すばらしい出来映えを誇っていると言えよう。

【大問Ⅰ】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

計算問題から、手応えのある図形まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。ここを長くて20分、できれば15分程度で通過したい。本年度の解答欄は「10」あったので、1問当たり1~2分でこなしていきたい。

(1)    は、小数を分数に手際よく直して、正確に計算する。問題なし。
(2)    は仕事算に比を取り入れたもの。これもすんなり通過できるだろう。
(3)    も食傷気味の年齢算。これもまたあっさり解答できるだろう。
(4)    本年度はここで差がついたと思われる。円の回転移動であり、作図も簡単なものだが、易しいもののやはり計算が厄介だ。円と太線の間にすきまができることもわかってはいてもテキパキと正しい数値を求めるには時間がかかる。
(5)    規則性の問題。例年のものよりは簡単だ。分数を6つずつグループにまとめてきまりを見つける。②ではグループごとの和に規則がわかればすぐできるだろう。
(6)    は差集め算。他の設問ほどではないにせよ、正解できないようでは対策が不十分といわざるを得ない。
(7)    立体の切断。難問可のにおいがあるもののここではあっさり風味。塾の問題のほうがはるかに難しかったに違いない。

【大問Ⅱ】速さの問題(ダイヤグラム)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

頻出単元の一つ、速さの問題。

本年度のものは比較的シンプルなもので、細かい条件もなく(1)から淡々と解けたことと思う。(3)の解き方には解き方に個性が出ると思われるが、グラフを三角形の相似に見立てて図形として求めるとスムーズにことが進んだことだろう。この問題は明の星レベルでは物足りない。

【大問Ⅲ】 ニュートン算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度、後半の問題でやや難易度が高かったのがこの【大問3】。
(1)(2)と続けて不正解もありえたかもしれない。それとも、受験勉強中にかなり古い「開成中学」の同内容の問題に当たった経験があり、あっさり解けてしまったか。ダムの貯水量を80として、流入量と放水量に文字を与え、式を立てて解くニュートン算である。当日できなくても合格したとは思われるが、それほどの水準でもないので解けなかった生徒はしっかり復習しておこう。

【大問Ⅳ】 推理して解く問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

問題文をよく読み頭の中に条件を整理してじっくり解いていきたい問題。作業を誤ると失点につながるがここまでの問題のレベルに対して残された時間を考えると比較的落ち着いて解けたのではあるまいか。

(1)は作業だけ。
(2)はア・イ・ウにあてはまる作業を丹念に探さなくてはならない。ぱっと求まるわけではないので少々苦しむ、ねばり強さが求められる設問。いかにも本校らしい出題。対策十分な受験生にとっては百も承知の事柄なので、時間配分さえ間違えなければ正解にたどり着けたはずだ。

【大問Ⅴ】 規則性・推理の問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

【大問4】同様、まず問題文をしっかり読み、問題のいわんとしていることを理解しよう。特に「例えば~」の具体例をよく読み、問題を正確につかむことが大切だ。そうすれば少なくとも(1)はあっさり解けるはず。
(2)が本番。0分では1本、1分では2本、2分では3・4本、3分では5・6・7・8本…と本数が少ないところを調べていくと、所要時間の最後の本数が1、2、4、8…と増えていることがわかる。これがつかめれば7分時の最も多い本数が求まるので、6分時の「最大本数+1」で少ないほうも求まるだろう。

攻略のポイント

例年どおり、すべての設問を難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。

◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、

◎…【大問1】(1)(2)(3)(5)①、【大問2】(1)(2)、【大問4】(1)、【大問5】(1)①・②
○…【大問1】(5)②(6)①②(7)、【大問2】(3)、【大問4】(2)
△…【大問3】(1)(2)、【大問5】(2)

となり、▲と×は本年度の場合、存在しないと見た。
このうち◎と○の設問をすべて正解すると「80」点となり、受験者平均「67.7」点を超え、合格点と考えられる「70」点はクリアできることになる。
超難問が見当たらないことから、満点も続出したのではあるまいか。「合格者平均」の「80.8」というのは前代未聞だ。

さて、本年度の場合は、例年と少し異なる分析が必要となる。
本年度に限っていえば、算数が多少苦手な生徒であっても十分に問題に対応できたし、合格点まで達したことだろう。
標準的な問題においてのミスはほぼ許されない、と言う点は変わらないものの【大問1】も例年よりは組みしやすい。
この傾向が継続されれば算数が苦手の生徒にとっては福音ではあるが、やはり例年並みの対策はしておいたほうがよい。

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