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浦和明の星女子中学校 入試対策

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2017年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

問題を解くスピード

1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星女子中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。

それは「問題を解くスピード」と「標準的な問題における正答率の高さ」である。

まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない。
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。

実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。
しかしこれらの設問を2分以内で 解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば 最低3分は欲しいところだ。

しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ。

そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

省略

コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験 生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる男子A(不特定多数の生徒 である)に比べればよほど模範的な解き方と言える。

しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう。

平成29年度の大問1を例に取ると、
(1)では、小数を分数に、「2.75」[0.44」をすぐに分数に直せる
(3)では相当算ならば160枚にあたる割合を、還元算ならばすぐに線分図が書ける
(5)では6の目がどの面に書かれているかをすぐに判断できる
(6)では正六角形の中を小さな三角形に分割できる

… といった具合である。はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないものだ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。

しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

推理・速さ・水そう・割合と比

次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」
「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。

本年度は出題がなかったものの、「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、 わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な解答に至らないことがままある。

次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする。
そして問題を解いていくわけだが、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。
すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。

「速さの問題」では、旅人算と他の文章題との融合に注意したい。
数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図 をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やすのが賢いやり方だ。

「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。
仕事算風なもの、図形的に解くもの、29年度は【大問2】の「水そうとグラフ」がそれにあたる。受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。

「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、 作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる。

まとめ

以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。

しかし合格ラインが70%、問題の易しい年だと80%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格を掴み取って欲しい。

2017年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が(くんで正解のものも1問とする)。
近年、以前ほど問題量にボリュームを感じなくなっており、普通のスピードで解いていければ時間が足りなくなる、という心配は薄らいできた。しかしそれはこの学校基準で、ということであって、50分に対して問題量は決して少なくない。

最初の小問集は、典型的な問題が並んでいるので、すばやく正解を並べていきたい。
後半は問題文が長く、与えられる条件も複雑な問題が並ぶ。与えられた時間を考えると、問題の内容を素早く理解し、適切に対応していけなくてはならない。

【大問1】小問集合

  • 難度:
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

計算問題から、少し手間のかかる周期の問題まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。ここを長くて20分、できれば15分程度で通過したい。本年度の解答欄は「8」とやや少なめ。

(1)は、小数を分数に手際よく直して、正確に計算する。問題なし。

(2)は和と差の文章題だが、本年度はここが一番とまどったのではないだろうか。線分図ではなく式を立てて解くと正解を導けるものの、典型題からは少し外れており、意外に時間を食った可能性がある。

(3)はいつもおなじみの相当算(解き方によっては還元算)。

(4)は立体図形の表面積の問題。増えた部分の表面積が簡単にわかるので答えも容易に求まる。

(5)は立体図形の展開図。切り離された辺に気をつければ向きもそんなに悩まないだろう。

(6)は正六角形の分割。基本問題なので取るに足らない。

(7)は仕事算に周期をからめたもので、前述通り手間はかかるものの解き方に迷いはあるまい。②に多少時間を食うのはやむを得ない。

ここは全問正解したい。

【大問2】水そうとグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

本年度のものは典型的な内容になっており、受験勉強に精を出してきた本校受験生にとっては迷うことなく正解できたことだろう。

(1)ではグラフの後半部分(21~45分)を使い、(2)ではグラフの前半部分(0~21分)から答えを導き、Aの体積がわかったところで(3)の問いに答えるという非常にスマートな問題になっている。

【大問3】つるかめ算・割合と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)は普通のつるかめ算。

(2)は割合と比の基本問題。

(3)は(1)(2)の結果を使って、白の10円玉と100円玉の枚数の差がわかるので(赤い袋は数が等しいので)、そこから比1あたりを求めていく。
(3)でやや差がつくかもしれない。

【大問4】速さの問題(つるかめ算・旅人算)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

明の星では頻出の速さの問題。マラソンランナーは3人!はたしてその内容は…

(1)は単なる速さのつるかめ算。

(2)は、(1)に比べれば作業が必要になるもののまたもつるかめ算。

(3)はようやく明の星レベルの旅人算で、ここは出来不出来の差がついたことと思われる。ゴールの手前1kmでAさんに追いついたCさんがその地点を9分先に通過したBさんを追いかけ追い抜く。計算もやや複雑でありこの設問を解ききれれば合格はもはや手中に収めたといっても過言ではない。

【大問5】規則性(数列・周期)

  • 難度:
  • 時間配分:8分

この大問は突出して難しい問題になっていて、(1)から時間を費やすことになるだろう。(1)の①が解ければもう十分であり、(1)②と(2)は見送ろう。

攻略のポイント

例年どおり、すべての設問を難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。

◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。
これを当てはめてみると、

◎…【大問1】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)①、【大問2】(1)、【大問3】(1)(2)、【大問4】(1)(2)
○…【大問1】(7)②、【大問2】(2)(3)、【大問3】(3)
△…【大問5】(1)①
▲…【大問4】(3)
×…【大問5】(1)②(2)

となり、△・▲が少なく、難易度の差が分かれた。
このうち◎と○の設問をすべて正解すると「80」点となり、受験者平均「65.0」点を超え、合格点と考えられる「70」点はクリアできることになる。算数の得点としてはもう十分である。

さて、本年度の問題は昨年度から引き続き基本重視の内容になっている。
【大問1】の小問集も昨年以上に取り組みやすいレベルだった。
この傾向が継続されれば算数が苦手の生徒にとっては福音ではあるが、反動も考えられるので難問対策にも時間を割いたほうが良い。

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