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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

[問題を解くスピード]

1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」「標準的な問題における正答率の高さ」である。

まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。
実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。しかしこれらの設問を2分以内で 解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば 最低3分は欲しいところだ。
しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ
そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

[省略]

コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる生徒に比べればよほど模範的な解き方と言える。
しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう
はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないもの だ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの 顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

[推理・速さ・水そう・割合と比]

次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」

「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。

「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、 わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な 解答に至らないことがままある。
次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする
そして問題を解いていくわけだ が、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。

「速さの問題」では、旅人算と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図 をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やすのが賢いやり方だ。

「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。仕事算風なもの、図形的に解くもの、いずれにせよ受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。

「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、 作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる

[まとめ]

以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが60%,問題の易しい年だと70%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格をつかみ取って欲しい。

2020年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が26。
設問数は昨年度の24から増えたものの、【大問1】から【大問3】までの問題は平易で解きやすく、また後半の大問も設問に易しいものが含まれていたので、時間不足に陥ると言うことはなかっただろう。ただし学校自体の難度が示すように、合格最低点から考えると、この水準の問題を高い割合で正答していくのはもちろん容易なことではない。それほどスピードを要求されるわけではないものの、「早く、正確に問題を解く」は最低限要求されてスキルだ。

 

【大問1】計算・仕事算・面積・方陣算・年齢算・立体図形・平均算・食塩水

  • 難度:
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

(1)の計算問題から(8)の食塩水まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。ここを長くかかっても20分、できれば15分くらいの所要時間で通過したい。本年度の解答欄は「10」あったので,1問当たり2分弱で解けるよう準備をしておきたい

(2)は典型題とも言える仕事算の問題で、太郎と花子の仕事量の比を求めればさほど時間をかけることなく求められただろう。

(3)もまた何回も解けてきただろう求積問題で、なんのひねりもない。

(4)は方陣算。黒のご石を6個並べたあとは、白のご石をぐるっと14個、次は黒のご石を22個…というように、並べるご石の数は8個ずつ増えていく。これを続けていき、黒白合わせて210個になるまで数え上げてもそんなに時間はかからない。

(5)は式を立てて解く年齢算で、本年度の【大問1】の中では最も水準が高い。といっても明の星を受験するために集まった受験生たちにとってはさして手応えは感じないかも知れない。明子さんの現在の年齢を①とおくと母の現在の年齢は④となるので、明子さんが生まれたときの母の年齢は④-①で③となり、そのときの祖母の年齢は⑥となり、現在の祖母の年齢は⑦と置ける。あとは2年後の関係を等式に表し、①あたりを求めれば答えとなるのだが、明子さんの年齢に対して、母と祖母の年齢がとても若く感じたので間違えたか、と2度もやり直しをしてしまったではないか!

(6)は作業を伴う立体図形の問題だが、本年度の立体図形はここだけ。正八面体の展開図自体は珍しいものだが、問題自体は基本的なものである。

(7)は③のみひっかかる可能性がある。確かに算数の点数は60点以上の人数のほうが多いが、60点以上の生徒が全員60点か80点で、60点未満の生徒が全員20点か40点とすると、平均点が60点を下回ることがわかる。

(8)は食塩水をやりとりする問題だが、やはり内容自体は手垢のついたもので、面積図による解法を試みればすんなりと解けることだろう。
本年度もまた、基本問題に終始した【大問1】となった。全問正解ないしは1問ミス程度にとどめたい。

【大問2】速さ

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

難易度を「易」としたのは、浦和明の星を望む生徒たちを対象にしたからで、大問のレベル自体は標準的なものと言えよう。しかし、もう少し手応えのある速さの問題を出して欲しいというのが本当のところ。

(1)はいろいろな場所と時刻が出てくるのでさぞ複雑かと思いきや、Bさんの速さはかなり簡単に求まる。Aさんの速さについては、速さと時間から距離の比を求める必要があるがそれも基本レベルのものである。

(2)のグラフ選びのほうがまだ慎重を要する。特にAさんは速さを2倍に変えるので2人の位置とグラフの変化の仕方に注意したい。
そうは言ってみたものの、塾での問題の方がずっと難しかっだろうと思わせる内容なので、明の星対策の受験勉強を積んできた生徒であれば難なくこなせたものと思われる。

【大問3】割合と比

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

これもまた「易」に属する大問で、(1)(2)がほぼ同時に求まってしまうなど工夫のない問題設定になっている。

(1)「同じ個数のミカンが入る箱」という条件から、2つの箱に入るAとBの和が等しくなるように比の大きさをそろえるだけ…あとは、合計金額の差が100円になるように調べていくわけだがこれもすぐに見つかってしまう。と同時に、(2)の答えも出てしまっているわけでやりがいが感じられない。せめて、箱アと箱イに入るミカンの個数が異なるなど条件を複雑にしてほしいものだ。

【大問4】数表

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

ここに至ってようやく標準問題に遭遇するわけだが、設問自体は平凡で調べるのに若干時間を要すると言うことである。

(1)は瞬殺。(2)も問われているカードの位置がわかりやすいものばかりなので、は平方数、は100の次の数、と簡単に目星がつく。

(3)ははじめて点数に差がつく設問となっているので、時間を十分にかけて慎重に事に当たりたい。300は平方数ではなく、数表の半端な位置で終わるので、求める数値もいずれも半端なカードとなる。この設問をものに出来れば合格はこちらのものだ。

【大問5】規則性

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

この問題だけを採り上げれば、そこそこの良問と言ってもよいが【大問4】との類似性を考えると、やはり最後は立体図形か推理する問題で締めてもらいたかったと思う。
(1)は最小公倍数を使って求めるという基礎的な設問。
(2)(3)は青と赤が何秒後に発光するかという表を作成してそこから答えを求めていかなければならない。長い時間をかけて育成してきた作業力がようやく発揮されるわけである。表が正しく作成できれば少なくとも(2)は正解できる。本年度最難関の(3)については調べるにしてももう一つ知恵が必要となる。ここができれば満点も望めるだろう。

攻略のポイント

例年どおり,すべての設問を難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。
◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、
◎…【大問1】(1)(2)(3)(4)(6)(7)【大問2】(1)(2)【大問3】(1)(2),【大問4】(1)【大問5】(1)
○…【大問1】(5)(8)【大問4】(2)
△…【大問4】(3)【大問5】(2)
▲…【大問5】(3)
このうち◎と○の設問をすべて正解すると78点になり、合格点と考えられる「65」点を余裕で上回る点数がとれることになる。
本年度は全般に難易度が平易であったにも関わらず受験生・合格者の平均点は近年では最低と受験生の奮起を望みたい数値になっている。また、受験生はこのテスト問題であれば70点以上は取れるように勉強を仕上げていきたい。
浦和明の星の場合、難関校特有の難問は見当たらず、標準的な問題での正答率が重要視される学校である。普段から中程度の問題を多く解き、分野によって苦手な分野を作らないという姿勢が大切である。

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