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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

[問題を解くスピード]
1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」と「標準的な問題における正答率の高さ」である。

まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない。
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。
しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。

実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。
受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。
また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。
しかしこれらの設問を2分以内で 解くとなると、やはりきつい作業になる。
一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。
通常の感覚であれば 最低3分は欲しいところだ。

しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ。

そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。
だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

[省略]
コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。
また、それは受験生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる男子A(不特定多数の生徒である)に比べればよほど模範的な解き方と言える。

しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう。

平成27年度の大問1を例に取ると、

(1)では、小数を分数に、しかも「0.05」をすぐに「1/20」に直せるよう。
(2)では与えられた図の「等しい辺」にさっさと印をつけ、わかる角度には暗算を試みる
(4)では断面図を書いて内容を把握し、図から答えが早急に導き出せるか。
(5)では「ニュートン算」と瞬時に理解し、560÷35の式をすぐに計算できるか

… といった具合である。はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。
でない限り、人の倍の速さでは解けないものだ。
ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。

しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの 顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。
マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。
模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

[推理・速さ・水そう・割合と比]
次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。

「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」
「割合と比の問題」

これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。

「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。

この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。
「ああ、わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な 解答に至らないことがままある。

次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする。

そして問題を解いていくわけだ が、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。

「速さの問題」では、旅人算 と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。
また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図 をよく理解して解法にあたりたい。
ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。
そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やす のが賢いやり方だ。

「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。
仕事算風なもの、図形的に解くもの、27年度は小問の出題にとどまったがやはり出されている。
受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。

「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。
普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。
慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。
問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、 作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる。

[まとめ]
以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが60%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。
自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格を掴み取って欲しい。

2015年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が30。
一月女子の最難関校だけあって、質・量ともに他を圧倒するものがある。50分に対して問題量は多いといわざるを得ない。問題数と言うよりは、問題文の分量が多いと言うべきかもしれない。とにかく1問あたりの文字数が多い、という印象だ。

最初の小問集合は、通常の学校とはちがい「速読即解」というレベルのものではなく、作業も細かいので、テキパキと問題を処理していかないと、たちまち時間不足に陥ってしまう。
後半は問題文が長く、与えられる条件も複雑な問題が並ぶ。ここでも、問題の内容を素早く理解し、適切に対応していけなくてはならない。

設問によっては急に難易度が高くなるところがあるが、そこにこだわるかどうかも自らで選択できるようになっていく必要がある。

全体として、難関校の名にふさわしい、すばらしい出来映えのテスト内容を誇っていると言えよう。

【大問Ⅰ】小問集合

  • 時間配分:18分

計算問題から、手応えのある図形まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。ここを少なくとも20分、できれば15分程度で通過したい。となると、1問にかけられる時間は2~3分程度。「そんなことできない」ではなく、出来るようにしておかなくては「合格」は見えてこない。

(1)は、小数を分数に手際よく直して、正確に計算する。普段から、「計算問題→闇雲に計算をして、答えが当ればいい」ではなく、賢い解き方をつねに考えながら問題にあたることが肝心。もちろん 時間を多くかければ解けるだろうが、それはもはや「負け」である。問題は適切な時間の中で解けなければいけない。

(2)はかなり基礎的角度の問題で、小4または小5あたりでずいぶん解いてきた記憶があるだろう。「等しい辺の印をつけて二等辺三角形を見つける」は浦和明の星受験生としては当然わかっているレベル。

(3)今回の小問集の中で時間がかかると言えばこの問題。1周目のご石はまだしも、2周目からは規則を絞って数えていくのもやむを得まい。

(4)水そうに水を入れていく問題。本年度は小問だけにとどまったが、明の星では頻出の内容だ。問題自体は平易なのだが図が与えられているわけではないのでてきぱきと条件を図などにまとめていく必要があり、手間はかかる。

(5)ニュートン算の典型的な問題。問題文を読んだ瞬間、ニュートン算とわかる。求め方~最後の答えに至るまでニュートン算の復習にはちょうどよい。失点してしまった生徒は、ニュートン算を一からやり直しだ。

(6)2倍濃縮や5倍濃縮という言葉を、200%や500%と置き換えられると普通の食塩水の問題として簡単に解くことが出来る。問題集などで経験していないと手こずりそうだ。

(7)図1、図2を見たときにぎょっとした受験生もいたかもしれない。しかし最初の印象ほどは面倒な問題ではないのが救い。しかしながら、【大問Ⅰ】の中では、(3)と(7)の苦戦は仕方あるまい。

【大問Ⅱ】 速さの問題(図形の移動とグラフ)

  • 時間配分:8分

頻出単元の一つ、速さの問題の大問1つめ。

問題文の条件は細かいので、よく読んで内容を把握してから問題に取りかかろう。
グラフ自体は単純な繰り返しなので、(1)(2)は最低でも正解しておきたい。(3)はかなり難しいので算数に自信がある者か時間に余裕があったときにトライしてみたい。

【大問Ⅲ】 和と差の文章題(平均算)

  • 時間配分:8分

この問題は点数が分かれたところと思われる。(1)が不正解な場合それ以降の問題解法が続かないからだ。
最高点を取った人を除いた場合も最低点を取った人を除いた場合も、35人の平均になると言うことをちゃんと使いたい。なまじ面積図に走るとわからなくなってしまうなかなかこわい問題。

(1)が解けると(2)(3)に設問がつながっていき、全問正解も可能になる。こらちは面積図を使って解きたい。

ここは、All or Nothingの可能性がある。

【大問Ⅳ】 速さの問題(速さと比)

  • 時間配分:8分

目的地まで2つの行き方があり、それぞれで速さが異なるという比較的よく見かける問題だが、力試しには適切な良問になっている。
高速道路走行時の速さを取り違えないようにしたい。

(1)は速さと時間の逆比の問題。ここで車の速さを正確に出しておき、次の設問につなぎたい。

(2)が勝負の分かれ目。15km時点での2つの車の距離の差を求め、旅人算として処理した方が楽に解けそうだ。

(3)は全体にかかった時間を「1」などと置き、比を用いて解く難問。

(1)(2)が正解ならば上出来と言えよう。

【大問Ⅴ】 条件整理の問題

  • 時間配分:8分

まず問題文をしっかり読み、問題のいわんとしていることを理解しよう。それが落ち着いて出来れば、少なくとも(2)までは解けるだろう。

(1)は1つの頂点を3回重ねて数えることがわかれば簡単。

(2)では、立体図形の展開図に頂点を1つずつ書き込んでいくような気持ちで数字をあてはめていくとうまくはまる。

(3)これは難しい。手をつけず、他の問題の見直しに回ろう。

攻略のポイント

すべての設問を、難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分け方である。

◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、

【大問1】(1)(2)(4)(5)…◎、(3)…△、(6)…○、(7)…△
【大問2】(1)…◎◎△、(2)…○、(3)…▲
【大問3】(1)…○、(2)…△、(3)…△
【大問4】(1)…○、(2)…△、(3)…▲
【大問5】(1)…○、(2)…○○、(3)…×

となり、このうち◎と○の設問をすべて正解すると「60」点となり、受験者平均「52.0」点を超え、合格点と考えられる「60」点はクリアできることになる。

この上で、△問題または▲問題をあてられると合格がよく確実になるというのが現状である。
これは受験生にとっては、なかなか厳しいデータである。
標準的な問題においてのミスはほぼ許されない。また、苦手な内容もできるだけ存在しないように努めなければならない。

◎・○の問題が標準的とはいってもあくまでも「明の星」水準であって、もしこれらの問題をノーミスであてられるようならば、誰も文句を言うものはないだろう。
しかしながら特殊な能力を必要とする問題はない。あくまでも、受験算数をきわめていきさえすれば超えられるレベルと言える。

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