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2016年度「女子学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

女子学院が女子校の中でも最難関校の一つであり、また人気の高い学校であることは百も承知のことと思われる。それだけ合格への壁は厳しく、突破は容易ではない。まず覚悟の程を決めよう。
これから算数について書いていくわけだが、特に女子学院の場合、算数という1科目のみを単体で考えることは難しい。
4科目の配点がどれも100点満点だと言うこともあり、どの科目についても算数と同じ特色(短い時間)で多くの問題にあたらなければならない。
スピードもかなりのものが要求され、どの科目も高得点が期待される。
学校によっては、「算数はきついけど、理・社は簡単」とか、「国語は記述で大変だが、算数は平易である」というように、どこかに「休息所」があるものだが、この学校にはない。どの科目でも気が抜けずハイスピードで解いていかなくてはならない。設問によってはいじわるなものもある。正解かどうか迷うと ころも多々存在する。それでも女子学院合格のためには、1問でも多く迅速に解き、正解していかなければならない。
算数においては、決して難易度の高い問題まで追及する必要はない。
男子難関校の算数につき合う時間があるなら、理科や社会の知識をひとつでも多く増やすことの方が合格への賢明な道である。
では、標準的な問題が普通に解ければよいとかというとそういうことはなく、ある水準までの問題は100%正解でき、スピードを上げて問題を処理しても雑にならないという、いわばマシーンのような精密さを身につけたい。それが目標だ。マシーンと言っても緻密ではあっても壊れやすいスマホのようなものではなくて、できれば重機(ブルドーザー)のように力業で最後まで解ききるパワーが欲しい。

分野別に見てみよう。

図形の問題

「図形の問題」では、基礎の基礎、まさに定義を聞かれたりする。
たとえば「平行四辺形とはどういう四角形か?」という問いに対して、必要十分に答えられるだろうか。同じように「長方形とは…?」と問題を変えてもよい。
答えは、「平行四辺形とは、2組の対辺がいずれも平行な四角形である」「長方形とは、4つの角がすべて直角である四辺形である」。正しく答えられただろうか?

算数で初めて「長方形」や「平行四辺形」を習ったときに、図形を見て直感的に形で覚えてしまっていると、意外に出てきにくいものだ。
もちろんそのままの形で問題になるわけではないが、四角形の分類などでは重要な事柄になる。

また、角度の問題では、原点に返って「多角形の内角の和・外角」などを用いて解くことがほとんどで、学年が下の生徒でも解けることがあるだろう。
ただ、解けることがあるだろうではダメで、必ず解けることが必要である。
平成28年度の問題であれば【大問1】の(4)・(5)・(6)、【大問2】などは見て分らないという問題ではあるまい。レベルで言えば平易な方だ。しかし、さっと問題に取り組み、よどみなく正確に答えを出せるかどうか?迷うことなく正解にたどり着けるよう演習を積み上げていかなければいけない。

速さの問題

「速さの問題」においては、条件に惑わされずに素早く自分にわかりやすい形にまとめることだ。それは、線分図でもよいしグラフの形でもよい。
条件に惑わされる問題として、平成25年度【大問Ⅳ】を挙げる。流水算に通過算の要素を付け加えたもので、長さや速さの単位もバラバラ、解き方自体は説明しやすいものだが、生徒にとってはかなり取っつきにくい問題だったと思われる。
女子学院の「速さの問題」には、このような問題文自体がわかりにくいことが多い。
イメージと異なりかなり意地の悪い問題を出してくるので、慣れるくらいまで過去問に取り組んでおきたい。

特殊算を用いる文章題

特殊算を用いる文章題は年度によって難易度が異なる。平成28年度のようにかなり難しいときもあり、いくら「全問正解せよ」といっても解けきれないレベルだろう。ただ、過去問を解くに当ってはすべての問題で正解まで道筋を模範解答などでしっかりとつかんでおきたい。

問題を解くスピード

問題を解くスピードをつけるには、マイペースを引き上げるよう自覚的に努力しなくてはいけない。4年生の時よりは5年生、5年生よりは6年生と、学年が上がるにつれて理解力だけでなく解くスピードも上がっては来ているはず。今の速さで十分、女子学院の問題に対応できると言う生徒は読み飛ばしても構わない。そうではない生徒は古い方法ながら、時間を短めに計って一行問題集などで練習するのが一番よい。上にも書いたが、速く解くだけでも不十分で、解き方が崩れないことが肝心である。「下手な鉄砲数うちゃあたる」ではなく、「百発百中」を目指したい。したがって、手順のムダをなくし、「早くていねいに」と いう究極の腕前を磨いてもらいたい。

最後に。
過去問には十分な時間の余裕を持って取り組むこと。
4科目のトータルで実力を判断すること。
算数においては最後の問題にまで時間が残せるようペース配分をつかむこと。

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2016年度「女子学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問が6、小問が24(求め方も含む)と例年安定している。
時間の短さに比べると問題数が多いのはこの学校の特色である。
本年度の問題は、昨年度に引き続き問題の難度は後半の文章題を中心に高かった。女子学院の対策を十分にとっていない生徒には質・量ともに厳しいものであったろう。
また、残念なことに解答不能の問題もあったためその問題への対処の仕方で合否が分かれたとすると運が悪かったとしか言いようがない。

【大問1】計算と小問集

  • 難度:
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

(1)分数と小数の混合四則計算からスタートするのはいつもどおり。逆算が入るので落ち着いて解いていきたい。
(2)は約束記号の問題で倍数をからませたもの。A★Bの関係から答えを上手く出せたかどうか…2016を素因数分解するなど解くのに手間がかかる。2016は約数が多いせいか他校でも同じような作業が行われる問題があった。はじめから時間のかかる問題でいらいらするところ。
(3)ここから(6)まではとばしていきたい。JGお得意の速さの問題は驚くべき易しさであった。Gさんも動かなくてはつまらない。
(4)角度の問題も例年よりもやさしかった。角度の工夫が苦手な生徒でもらくらく解答。
(5)作業のていねいさは必要となるが太線の周囲を求める工夫(外側にまとめる)が頭に入っていない生徒はJG志願者にはいないだろう。ここも絶対正解しよう。
(6)六角形の分割も瞬殺だ。ここも間違えるのが難しいくらい。

(2)以外はどこも1・2分程度で解けそう。

【大問2】平面図形(おうぎ形の面積)

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

塾や問題集でいやと言うほどお目にかかった問題。
しかもなわの長さが多角形の倍数なので妙なあまり方もしないし動ける範囲が重なることもない。作図も考え方も簡単なので最後は計算をまとめて出来たかどうか。半径が異なっても中心角はどこも同じなのでさくさくまとめて正解を出そう。円周率の計算をばらばらにやった生徒は答えがあってても不正解だと思って解きなおすこと。

【大問3】仕事算(周期の問題)

  • 難度: やや難
  • 時間配分:6分

【大問1】来た。はじめの設問は楽に片付けたとして二つ目のほう。
解き方はわかっていることと思う。機械BとCの最小公倍数を求めてそれを周期とし、その中で何個作れるか、さらに2016個(またか…)をその個数で割って案の定あまりが出たか…このあとの追跡の仕方もわかっている。BとCの所要時間に合わせて前から調べていけばよい。しかし、手間と時間がかかる!8分もらえれば解けるのはわかっているが手をつけていいものか?まだテストは半ば…
そんな大変意地悪な問題である。

【大問4】立体図形(容器を傾ける問題)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

後半では解きやすい問題なので、少し難度の高い二つ目の設問まで手を出していこう。
底面が台形なので辺を上に伸ばして三角形の相似形を使いたい。このとき、底面の面積から面積比→相似比と考えが移せるかどうか。良問なので解けなかった生徒はしっかり学んでおこう。

【大問5】周期算(日付の問題)

  • 難度: やや難
  • 時間配分:6分

ここでも「時間との勝負」が必要になる問題が出題された。
特殊なカレンダーだがきまりさえ飲み込めば普段のカレンダーよりも単純だ。1週間を8日にしている。ビートルズか?
しかし最初の設問からしてひと月ごとに曜日を調べていかなくてはいけない。いや、調べさえすれば求まっていくのだが時間の余裕があるのかどうか…過去問練習では最後の設問までがんばってトライしてみよう。

【大問6】平均の問題

  • 難度:
  • 時間配分:6分

平均の問題ではあるが、解き方としては式を2つ立てて消去算として扱うとよいだろう。
通学時間が「25分未満・25分以上60分未満・60分以上」の3つのカテゴリーにわけ、25分未満を○、25分以上60分未満は5人・60分以上を△として
クラス全員の通学時間の和は変わらないので、
(5+△)×58+○×24=△×65+(○+5)27が成り立つ。この式を整理すると
○×3+△×7=155となり、クラスの人数から○+△=25がわかっているので
あとは○と△について解けばよい。
当日の問題では、作問にミスがあり正解が不能とされた問題。正式な訂正があったのは翌日の合格発表前。最後の問題まで手が届かずにスルーした生徒が得をし、算数の実力があったばかりに手をつけてしまった生徒が損をするという事態に。短時間に生徒たちは運命をかけているのでこういったミスは今後ない様に願いたい。
しかし、楽しい40分間であった。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。そしてこの分量。
合格点は発表されていないものの、昨年度と違い超難問はなく標準的な問いが多かったことから、【大問6】以外では80%くらいは解けておきたいところだ。
点数を落とすとすれば【大問3】の後半と【大問5】のなかでいくつか、あとは【大問1】の(2)あたり。あとは対策の想定内だから解けると思われる。
女子学院の場合、算数だけで合否が決まるとは思えないが、とりあえず下のようなことは言える。

さまざまなジャンルの問題に迅速かつ正確に反応でき、合理的に解を導く処理能力が必要である。
誰もが「出来る」と思った問題は間違いなく解けるようにしておく。
難問に遭遇したときは、その問題との「つきあい方」を判断できるようにする。最後までやらずとも解けそうな設問をしっかり解いておく。

女子学院が最難関校のひとつであることは誰もが認めるところである。しかし、算数において合格点を取ろうとするならば、それは難問を解ける力を必要とすることではない。基本的な問題または標準的な出題を、いかにそつなくこなすことが出来るかにかかっている。
難問の克服には時間と…そして特殊な能力が必要になることがある。
しかし女子学院の算数は、日常の学習の中で算数と真摯に向き合ってきたという積み重ねによって克服できるものである。
努力によって合格を勝ち得るものなのだ。傾向と対策をしっかりと読んで、女子学院合格の礎として欲しい。

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