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2022年度「女子学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

女子学院が女子校の中でも最難関校の一つであり、また人気の高い学校であることは百も承知のことと思われる。それだけ合格への壁は厳しく、突破は容易ではない。まずは覚悟を決めよう。
これから算数について書いていくわけだが、特に女子学院の場合、算数という1科目のみを単体で考えることは難しい。
4科目の配点がどれも100点満点だと言うこともあり、どの科目についても算数と同じ特色(短い時間)で多くの問題にあたらなければならない。
スピードもかなりのものが要求され、どの科目も高得点が期待される

学校によっては、「算数はきついけど、理・社は簡単」とか、「国語は記述で大変だが、算数は平易である」というように、どこかに「休息所」があるものだが、この学校にはない。どの科目でも気が抜けずハイスピードで解いていかなくてはならない。設問によってはいじわるなものもある。正解かどうか迷うところも多々存在する。それでも女子学院合格のためには、1問でも多く迅速に解き、正解していかなければならない。

算数においては、決して難易度の高い問題まで追及する必要はない。
男子難関校の算数につき合う時間があるなら、理科や社会の知識をひとつでも多く増やすことの方が合格への賢明な道である。

では、標準的な問題が普通に解ければよいとかというとそういうことはなく、ある水準までの問題は100%正解でき、スピードを上げて問題を処理しても雑にならないという、いわば機械のような精密さを身につけたい

図形の問題

「図形の問題」では、基礎の基礎、まさに定義を聞かれたりする。
たとえば「平行四辺形とはどういう四角形か?」という問いに対して、必要十分に答えられるだろうか。同じように「長方形とは…?」と問題を変えてもよい。
答えは、「平行四辺形とは、2組の対辺がいずれも平行な四角形である」「長方形とは、4つの角がすべて直角である四辺形である」。正しく答えられただろうか?

算数で初めて「長方形」や「平行四辺形」を習ったときに、図形を見て直感的に形で覚えてしまっていると、意外に出てきにくいものだ。
もちろんそのままの形で問題になるわけではないが、四角形の分類などでは重要な事柄になる。

また、角度の問題では、原点に返って「多角形の内角の和・外角」などを用いて解くことがほとんどで、学年が下の生徒でも解けることがあるだろう。
ただ、解けることがあるだろうではダメで、必ず解けることが必要である。

平成30年度の問題であれば【大問1】(2)・(5)などは見て分らないという問題ではあるまい。レベルで言えば平易な方だ。しかし、さっと問題に取り組み、よどみなく正確に答えを出せるかどうか?迷うことなく正解にたどり着けるよう演習を積み上げていかなければいけない

速さの問題

「速さの問題」においては、条件に惑わされずに素早く自分にわかりやすい形にまとめることだ。それは、線分図でもよいしグラフの形でもよい。女子学院の「速さの問題」には、このような問題文自体がわかりにくいことが多い。

イメージと異なりかなり意地の悪い問題を出してくるので、慣れるくらいまで過去問に取り組んでおきたい

特殊算を用いる文章題

特殊算を用いる文章題は年度によって難易度が異なる。平成28年度のようにかなり難しいときもあり、いくら「全問正解せよ」といっても解ききれないレベルだろう。

また平成30年度大問5のようにユニークな差集め算が久々に出されるということもある。水準が安定しない以上、過去問を解くに当ってはすべての問題で正解まで道筋を模範解答などでしっかりとつかんでおきたい

問題を解くスピード

問題を解くスピードをつけるには、マイペースを引き上げるよう自覚的に努力しなくてはいけない。
4年生の時よりは5年生、5年生よりは6年生と、学年が上がるにつれて理解力だけでなく解くスピードも上がっては来ているはず。今の速さで十分、女子学院の問題に対応できると言う生徒は読み飛ばしても構わない。

そうではない生徒は古い方法ながら、時間を短めに計って一行問題集などで練習するのが一番よい

上にも書いたが、速く解くだけでも不十分で、解き方が崩れないことが肝心である。「下手な鉄砲数うちゃあたる」ではなく、「百発百中」を目指したい。したがって、手順のムダをなくし、「早くていねいに」と いう究極の腕前を磨いてもらいたい。

最後に。

過去問には十分な時間の余裕を持って取り組むこと
4科目のトータルで実力を判断すること
算数においては最後の問題にまで時間が残せるようペース配分をつかむこと

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2022年度「女子学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問が6、小問が20数問(求め方も含む)と例年同じ程度の分量が出題される。
テスト時間の短さ(40分)に比べて問題数が多いのはこの学校の大きな特色である。総じて時間不足に陥りやすい。
本年度は昨年度の平易さから一変して難しい問題もそれなりに含まれおり、苦戦を強いられたことだろう。いずれにしても、迅速に問題の内容を理解し正しく処理していく姿勢が必要だ。

【大問1】計算問題・逆数・角度・面積・速さ

  • 難度:標準
  • 時間配分:14分
  • ★必答問題
  • (2)A×B=1となるとき、AはBの逆数であり、BもまたAの逆数になる。0.125×□=1、2.25×□=1という式から逆算すれば良い。逆数を覚えていれば易しいがもし知らないとなると正解を出しようがなくなる。あまり聞かれる問いではないので足下をすくわれないように…

    (3)AB左辺をまとめると分数のなるので、その分母と分子の差が33になるように整数倍すれば答えが求められる。
    (3)は本年度も登場、JG名物「角度を求める問題」であるが、本年度もまたやさしい部類に属するレベルだった。おうぎ形の中にある正三角形ABCと見つけられる二等辺三角形の性質を使えばいずれも容易に答えまでたどりつく。
    (4)半径が分からない円の面積を求める問題で、正方形の対角線をxとすると、半径×半径=x×xとなり、正方形の面積が5×5=25なので、x×x÷2=25から半径×半径を求め円の面積を求められる形にすること。「易」レベル。
    (5)影がつけられた平行四辺形をたてに真っ二つに分けて、左右にできる相似な三角形の関係を使えば容易に答えは求まる。
    (6)は一見「旅人算」だが、そうではなくて、速さの三公式を使う純粋な「速さ」の問題である。父が途中で速さを変えているものの、駅から家までの距離とかかった時間が分かることから「つるかめ算」を使って父がJ子さんと出会うまでに歩いて距離を求める。あとはJ子さんの速さなどを使って答えを求めていけば良い。【大問1】の中では最も手がかかる問題だったので、そつなくこなして時間不足に陥らないようにしたいところだ。

【大問2】約束記号(素数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

(1)は問題ないだろうから(2)について。
まず20以上50未満の素数を求めると、23,29,31,37,41,43,497つであり、(20★A)と(A★B)と(B★50)の和は7となる。そしてその積は9であることから、それぞれの値は1,3,3(1×3×3=9)となることになる。あとは、どこが1でどこが3になるかをあてはめながら探ることになるが、さほど手間はかからないと思うので、ぜひ正解して先に進みたい。

【大問3】条件整理

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

まず問題文をしっかりと読み込み、細かい条件を頭に置いた上で【大問2】同様、問題の条件にあてはまるよう数字を調べていく。K子の1回目の点数は1点なので、他の2人の最も低い点数は2点か3点となる。3点が最低点の人は残りの2回は4点、5点となる。このとき、3,4,5点を取った人が最も高い点数になるのでこれはJ子の点数であり、J子の最終得点は4.5点となる。また、このことからG子の最終得点は3.5点となり、3人の最終得点の平均点が4点であることからK子の最終得点は4点となる。K子は1回目が1点なので、あとの平均が4点になるには3点、5点ととるしかないのでこれが答えとなる。ここも出来ておきたい問題である。

【大問4】立体図形(正八角柱)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

テストはここに至って大きく差が開く問題に突入する。全問正解は厳しいものの、前半の展開図と、後半の三角柱についてはできれば正解しておきたいところだ。
展開図の問題では、一度見取り図を作って長方形の面が足りないところを探すことになる。が、六角柱くらいならば経験済みでも八角柱は骨が折れる。
また、後半の問題では八角柱の前に例として三角柱が挙げてあるのでここは正解したい。三角柱の面をすべて切り離すと三角形が2つと四角形が3つできるのでその辺の数の和は18になる。また、与えられた図1から4組の辺をつけると図2のような展開図に戻る(ここはカンタン)。「立体の1つの辺を切るごとに、他の面とついていない辺が2つ出来るので」三角柱の場合は展開図を作るときに切る辺の数は、図2から18-2×4で10本あるので、10÷2=5本となる。後半はこのことを八角柱に応用するというもの。
三角柱の例にならうと、八角柱の辺の数は8×2+4×8の48本になる。八角柱の面は10(底面が2,側面が8)あって、そのうち9面を付ければ展開図になるので残った辺の数は48-2×9=30本。三角柱と同じように求めると、30÷2=15(本)となり、なんと次は三十角柱だ!八角柱の考え方を発展させれば解ける問いなので同じようにがんばってみよう。時間が足りなければスルーするのも得策だ。

【大問5】立体図形(水そうとグラフ)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

後半の大問3つでは、この大問が最もなじみ深いと思われるので、難易度はそこそこながら「必答問題」とした。
水そうの中に立ててある立体が正四角柱(直方体)であること、その底面積がすべてわかつていること、どういう順番で水がたまっていくかわかりやすいこと、グラフも見慣れた形であることなどから設問には(1)さらにAへと順番に答えていけるものと考える。やや難なのはDの数値だろうが途中から入れる水量が変わる(=つるかめ算)を用いれば難とか解けるだろう。
この種の問題はJGのみならず、女子上位校の定番なので、過去問も含め、本番までには多くの類似問題にあたっておきたい。

【大問6】仕事算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

本年度は【大問6】が最も難しい問題となった。前半の問いA、Bの所要時間が分からなければ後半の2台同時での所要時間も分からず、全敗という可能性があるからだ。また、この仕事算を発展させた問題(問題を解く着眼点が新しい)は他校でも本年度出題されており、今後流行る可能性がある。要注意である。

その新しい着眼点というのは、こなした仕事量から、そこにかかった時間の比を使うというものである。AもBも、キャプチャ の仕事量を終えるのにかかった時間と3分の2を終えるのにかかった時間の比は3:8となり、比3で6分差がついているので、3分の2を終えたときには、6÷3×8=16分の差となっている。また、Cは3分の2を終えるのはAよりも12分多くかかるので、Bよりも16+12=28(分)多くかかることになる。ここでBとCの作業の速さの比5:4が使えてくるわけだ。あとはさほど難しい作業は残っていない。計算は細かいけれど…
「こなした仕事量」から「かかった時間の比」を求めていく解き方は少し新しいものなのでこの機会にぜひ身につけて今後に活かしてもらいたい。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。
昨年、一昨年と2年続けて「易~標準」クラスの問題が中心だったのに対し、本年度は後半に力量を試される問題が集まった
とは言ってもやはりJGの傾向にそった内容が多かったので過去問をしっかりとこなした生徒には合格の光明が見えていたことだろう。
昨年「難易度が最高水準にある学校なので、来年度以降また問題の質が高いテストに戻るという可能性は十分にあるだろう。」と攻略のポイントに書いたことが期せずしてあたったことになる。数年に一度は難しい年が存在する…
しかしJGを志望する生徒は今までとってきた対策を変更すべきではないと思う。あくまでも、標準的な問題を素早く、適切に解ける力こそが合格への王道である点に変わりはないからだ。

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