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2019年度「女子学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

女子学院が女子校の中でも最難関校の一つであり、また人気の高い学校であることは百も承知のことと思われる。それだけ合格への壁は厳しく、突破は容易ではない。まずは覚悟を決めよう。
これから算数について書いていくわけだが、特に女子学院の場合、算数という1科目のみを単体で考えることは難しい。
4科目の配点がどれも100点満点だと言うこともあり、どの科目についても算数と同じ特色(短い時間)で多くの問題にあたらなければならない。
スピードもかなりのものが要求され、どの科目も高得点が期待される。

学校によっては、「算数はきついけど、理・社は簡単」とか、「国語は記述で大変だが、算数は平易である」というように、どこかに「休息所」があるものだが、この学校にはない。どの科目でも気が抜けずハイスピードで解いていかなくてはならない。設問によってはいじわるなものもある。正解かどうか迷うところも多々存在する。それでも女子学院合格のためには、1問でも多く迅速に解き、正解していかなければならない。

算数においては、決して難易度の高い問題まで追及する必要はない。
男子難関校の算数につき合う時間があるなら、理科や社会の知識をひとつでも多く増やすことの方が合格への賢明な道である。

では、標準的な問題が普通に解ければよいとかというとそういうことはなく、ある水準までの問題は100%正解でき、スピードを上げて問題を処理しても雑にならないという、いわば機械のような精密さを身につけたい。

図形の問題

「図形の問題」では、基礎の基礎、まさに定義を聞かれたりする。
たとえば「平行四辺形とはどういう四角形か?」という問いに対して、必要十分に答えられるだろうか。同じように「長方形とは…?」と問題を変えてもよい。
答えは、「平行四辺形とは、2組の対辺がいずれも平行な四角形である」「長方形とは、4つの角がすべて直角である四辺形である」。正しく答えられただろうか?

算数で初めて「長方形」や「平行四辺形」を習ったときに、図形を見て直感的に形で覚えてしまっていると、意外に出てきにくいものだ。
もちろんそのままの形で問題になるわけではないが、四角形の分類などでは重要な事柄になる。

また、角度の問題では、原点に返って「多角形の内角の和・外角」などを用いて解くことがほとんどで、学年が下の生徒でも解けることがあるだろう。
ただ、解けることがあるだろうではダメで、必ず解けることが必要である。

平成30年度の問題であれば【大問1】の(2)・(5)などは見て分らないという問題ではあるまい。レベルで言えば平易な方だ。しかし、さっと問題に取り組み、よどみなく正確に答えを出せるかどうか?迷うことなく正解にたどり着けるよう演習を積み上げていかなければいけない。

速さの問題

「速さの問題」においては、条件に惑わされずに素早く自分にわかりやすい形にまとめることだ。それは、線分図でもよいしグラフの形でもよい。女子学院の「速さの問題」には、このような問題文自体がわかりにくいことが多い。

イメージと異なりかなり意地の悪い問題を出してくるので、慣れるくらいまで過去問に取り組んでおきたい

特殊算を用いる文章題

特殊算を用いる文章題は年度によって難易度が異なる。平成28年度のようにかなり難しいときもあり、いくら「全問正解せよ」といっても解ききれないレベルだろう。

また平成30年度大問5のようにユニークな差集め算が久々に出されるということもある。水準が安定しない以上、過去問を解くに当ってはすべての問題で正解まで道筋を模範解答などでしっかりとつかんでおきたい。

問題を解くスピード

問題を解くスピードをつけるには、マイペースを引き上げるよう自覚的に努力しなくてはいけない。
4年生の時よりは5年生、5年生よりは6年生と、学年が上がるにつれて理解力だけでなく解くスピードも上がっては来ているはず。今の速さで十分、女子学院の問題に対応できると言う生徒は読み飛ばしても構わない。

そうではない生徒は古い方法ながら、時間を短めに計って一行問題集などで練習するのが一番よい。

上にも書いたが、速く解くだけでも不十分で、解き方が崩れないことが肝心である。「下手な鉄砲数うちゃあたる」ではなく、「百発百中」を目指したい。したがって、手順のムダをなくし、「早くていねいに」と いう究極の腕前を磨いてもらいたい。

最後に。
過去問には十分な時間の余裕を持って取り組むこと。
4科目のトータルで実力を判断すること。
算数においては最後の問題にまで時間が残せるようペース配分をつかむこと。

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2019年度「女子学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問が6、小問が20数問(求め方も含む)と例年だいたい同じくらいの量が出される。
時間の短さに比べると問題数が多いのはこの学校の特色である。
本年度の問題は40分で高得点をとるには至難の内容になっており、いかに標準的な設問を正確に解いていけるかが合否を分けた。

【大問1】計算問題・小問集

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

(1)今年もまた分数と小数の混合四則計算からスタートする。
なぜ分母が673なのかというと、答えに「2019」をもってきたいだけであった。来年は「2020」なので、いろいろと使えそうだ。

(2)は複雑そうに見えて、素直な求積問題である。
この水準であればJG対策の十分想定内の問題といえる。

(3)約束記号を使っているが、いわゆる「繁分数」の問題で、この内容を学習した生徒にとっては基本レベルである。
ここまでは何事もなく進んできた。問題はここからで、逆に言うとここまでは全問正解しておきたい。

(4)はJG頻出の角度の問題。演習も十分積んできた。
さて…と取りかかると、これだけはじめから直線が引いてあるにもかかわらずさらに補助線を継ぎ足さないと問いに答えられない。
たとえばの角度を求めるには、OとF、さらに太線の弧の真ん中を結んで正三角形を作り(3辺とも半径なので長さが等しい)60度を作り、さらにOとCを結んで三角形OBCが直角二等辺三角形であることを利用しないといけない。
の角度が求まればあとはある程度スムーズに進むものの1つめの角が求まらないとあせっしまうだろう。
はじめのつまずきの石となる可能性があるのでこのレベルまでは今後の演習の課題としてがんばろう。

(5)青、赤、白をA,B,Cなどとおいて式を作り、そこから求めていけば必ずしも難しい問題ではない。
ただし、しかし差の取り方によって、青の高さは2通り考えられ、それを求めなければならない分だけ難易度が上がっている。

本年度は(4)(5)で苦戦するかもしれないが、とれるだけとっておきたいところだ。

【大問2】平面図形(円の移動)

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

円が転がる直線+曲線は左右対称ではないもののそれほど難しいものではない。(2)をうまくこなせればまだ得点できるレベルにある。

(1)円の中心が動いた線は「直線、半径1cm・中心角90度の弧、半径3cm・中心角120度の弧、半径1cm・中心角60度の弧、直線」と変わっていくので計算式をまとめて計算する工夫が必要だ。これは標準レベルの設問だろう。

(2)では、円が曲線BCを転がる長さは円周の3分の4回転分となるが、円が曲線を回る間に3分の1回転逆方向にまわることになるので結果としてちょうど1回転したことと同じになる。
したがって、はじめの矢印とあとの矢印はまったく同じ方向を向くことになる(ただし求める角度は基準にする直線が異なるので違ってくる)。

(1)が正しく計算できれば合格点、(2)もできればこの時点での貯金になるだろう

【大問3】場合の数(展開図の数)

  • 難度:
  • 時間配分:6分

時に女子学院は、算数の基礎知識にあたる問題を出してくるときがあるがこれもその1つ。立体図形の展開図が全部で11通りある、というのは4年生や5年生の前半で教わった可能性はあるものの難解な立体図形の切断などに時間をとられてすっかり忘れてしまっている可能性もある。

ここではそれらを順序よく思い出しながら(1)(2)の問いにあてはまるものを探していかなければならない。
作業はきわめてシンプルではあるものの時間を要しきっちり解答するのは困難である。以前「立体図形の展開図をすべて書け」という大問を出した学校もあったがその場合いくつか書き出しただけでも部分点になる。
(2)はまだしも、(1)は何通りかを聞かれているだけなので1つでも調べ損ねたら得点にならない。受験生にとっては大変に厳しい問題となった。

【大問4】速さの問題(時計算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

聞かれていることは長針がちょうど文字盤のどこかの数字を指しているという典型的な時計算の応用問題だが、与えられている条件が変わっているのでそこで面食らうと答えに行き着けなくなる。

今から56と11分の4分では、長針は310度回転するので今の長針と短針が作っている角度は(310-180=)130度とわかる。130度になるとき、130÷30=4あまり10度から、短針は文字盤の数字から10度離れていることになり、10÷0.5より今の時刻は□時20分となる。となると、長針の指している数字は「4」とわかり…と解いていく問題で、時計算の実力を量るのは適切な大問と言える。
ただし、短時間で時終えるのは容易ではない。

【大問5】数の性質

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

はじめに菓子の総数を求めるとき、菓子の数は「12で割ると6あまり、15で割ると9あまる」数、ととらえて問題に入ると「数の性質」の問題になり、別の角度から12個入りの時と15個入りの時の1個の値段から考えると「差集め算」の問題となる。
どちらからトライしてもかまわないもののどちらにしても安直に答えは求まらないのでせめて菓子の総数だけでも正解しておきたい大問である。。

また、売り上げが最大になるのは12個入りの箱をたくさん売ったときになるが(1個あたりの単価が高いから)、総数は12では割り切れないので、12個入りを多くしつつ15個入りの箱を作ってもあまりが出ないように調べていかないといけない。手がかかることこの上ない。

【大問6】和と差の文章題(集合算)

  • 難度:
  • 時間配分:5分

ベン図3個までは想定内と言えるもののベン図4個が必要なのか…なんとかそれを使わずにはじめの□の数値を求めようとするものの遅々として作業は進まない。
これだけ手強い大問は2016年度の【大問6】以来だが、もちろんそれを上回るものである。
こういう場合はスルーするに限る。
そして、【大問3】【大問5】などのまだ手が出る問題に時間を割くべきである。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。
昨年度からうってかわって、本年度は大変に水準が高い問題が並んだ。例年であれば、80点以上の点数を課したいところだが本年度は50~60点を目標として掲げれば十分である。
今後も難度が高いテストが続く可能性は否定できないが、JGを志望する生徒は大きく今までとってきた作戦を変更すべきではないと思う。あくまでも、標準的な問題を素早く、適切に解ける力こそが合格への王道と言えるからだ。そういう意味では、本年度の受験生は受難の年にあたってしまったかもしれない。

女子学院が最難関校のひとつであることは誰もが認めるところである。しかし、算数において合格点を取ろうとするならば、それは難問を解ける力を必要とすることではない。基本的な問題または標準的な出題を、いかにそつなくこなすことが出来るかにかかっている。そしてそれは本年度のような特殊な年であっても変わらなかったと思う。難易度が予想を超えて高い場合、合否にはあまり関係がない場合が多いからだ。
これまで通りの対策を押し進め、効率の良い得点の取り方ができるよう自分を磨いていこう。

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