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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「芝中学校の国語」
攻略のための学習方法

出題傾向と特色

ここ数年は漢字・語句の問題が2題、読解問題が2題という構成が定型となっている。素材文は文学的文章と説明的文章が1題ずつ、文量は計7000~8000字ほど。

文学的文章は、受験生と世代の近い登場人物が悩みや葛藤を乗り越えて成長していく話が多い。

説明的文章は科学・自然・哲学など、扱われる題材が幅広い。年齢的にあまり馴染みの無い分野だと、内容も難しく感じられる。説明的文章については、やや難しい文章にも触れて見慣れておきたい。

読解問題・記述問題

2015年度より、読解問題の設問はすべて記述式となった。昨年・今年とも設問数は大問二つにそれぞれ四題ずつ、計八題。記述問題で求められる総字数は2021年度では340字で、30~100字で書く形になっている。

記述問題に特化した形式に気後れしてしまう人もいるかもしれない。直近の5年間では合格者平均点が5~6割ほどと以前よりは難しくなっているが、記述問題で6割の部分点を得られればよいのだという考え方もできる。

「自分で考えて書きなさい」・「自分の意見を答えなさい」といった論述タイプの記述ではない。特に説明的文章の問題では、本文から適切な部分を抽出し、まとめることで解答をつくることができる場合が多い。文学的文章も年齢や舞台の設定が受験生にも馴染みやすいものが多いので、登場人物の心情も理解しやすい。読解力が適切についていればそれほど難しくは感じないはずである。

まずは説明的文章・文学的文章の読解の技術をしっかり身に着けよう。

説明的文章なら形式段落と意味段落の整理、各段落の要点と細部の見分け、全体の要約と要旨など。文学的文章なら登場人物の整理、時間・場所・人物の入退場による場面分け、人物の言動や情景などから心情の読み取り、物語のテーマなど。

基本的な読解力をつけた上で、記述に慣れておく。説明的文章では要点をそのまま記述に使える場合が多いだろう。文学的文章では人物の気持ちや行動の理由が訊かれることが多い。それぞれの文章を多く読んで、一定の字数でまとめる練習を積んでおこう。

最初から最後まで記述が続く試験なので、書く事への抵抗感があるようだと辛い。完璧な解答を目指さなくて良いので、部分点は取れるようにまずは一定の字数を書き込めるよう、過去問を多くこなしてまとめ方のコツをつかみたい。

漢字・語句

漢字も毎年10問ほど出題されている。読みを明らかにせず文脈から当てはまる漢字を考えさせるような問題もある。難しい問題も見られるが、普段からの語彙を増やす努力がモノを言う分野でもあるので、漢字テキストと同様、読書などからも漢字を吸収するよう心がけてほしい。

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2021年度「芝中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

漢字+言葉の知識の問題が10問、読解問題の記述が8問という記述問題に特化した構成である。漢字・言語事項は3~4分で済ませて、残りは読解と記述に充てることになる。
素材文の字数は計7800字ほど。重要箇所を傍線・印などでマークしながら読み終え、ひととおりすべての記述の必要字数を満たして最後まで書けるスピードが欲しい。完璧な解答を目指して時間が足りなくなる事態は避けたい。

【大問1】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:
  • ★必答問題

① 『車輪の下』
② 貯水池
③ 密生
④ 楽園
⑤ 交易

【大問2】慣用句

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問1・2で4分
  • ★必答問題

① 買って出る――自ら進んで引き受ける。
② 骨休め――体を休めて疲れを癒すこと。
④ 木を見て森を見ず――小さな部分にとらわれて、全体を見通さないこと。
⑤ 鼻を折る――得意がっている相手の気持ちをくじく。

【大問3】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

現在のように、生活の質を高めるために環境に過大な負荷をかけていては持続可能な開発は不可能であり、それは文明の持続も不可能であることを意味する、と筆者は論じている。

問一 第二段落に「その要点」が詳しく書かれている。まず、「より速い気候変化が起こっていること」「多数の生物種と生物個体が急速に絶滅・死亡していること」「広範な生態系が一斉に消失していること」「環境汚染が増加し、人々や野生動物を傷つけていること」と四つの事実を挙げている。そしてその結果として、将来的に「人類の繁栄と存在にとって不可欠な地球の生命維持システムは、不可逆的にグローバルに劣化してしまう」と結論づけている。「不可逆的」とは「もとにもどらない」という意味である。

問二 第四段落にあるそれまでの定義では「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」とされていたが、第五段落の「再定義」では「現在および将来の世代の人類の繁栄が依存している地球の生命維持システムを保護しつつ」「現在の世代の欲求を満足させるような開発」とあり、「現在および将来の生命維持システムの保護」が再定義の主要点であることがわかる。

問三 比較対象としてベトナムを挙げたのは、日本を含む他の多くの国が分布する「右肩上がりの曲線」から外れているからであり、それはベトナムが「生活の満足を実現するために環境を犠牲にし」ていないことを意味している。ベトナムは他の国も目指すべきである「公正で持続可能な社会」に近い存在であり、日本もそこを目指して「環境を犠牲にしないで生活の満足を高める」努力をすべきなのである。

問四 傍線部の「文明」と「それを支える環境と気候」の関係について書かれている部分を探していこう。第二段落にある「人類の繁栄と存在」は「文明」に、それに「不可欠な生命維持システム」は「支える環境と気候」にそれぞれ言いかえられる。そして近い将来、それは「不可逆的にグローバルに劣化してしまう」のだが、その原因は以降に示されるグラフが示している「人間が生活の満足のために環境に許容を超える負荷をかけ続けている」ことである、と話は続く。おおまかにまとめると、本来人類の文明(繁栄と存在)は生命維持システムに依存している(不可欠)のだが、いわゆる先進国のように生活の満足のために環境(生命維持システム)に過大な負荷をかけ続けていくと、全世界的に劣化(持続不可能)してしまう。それはすなわち文明の維持も不可能であるということになるのである。

【大問4】

  • 難度:
  • 時間配分:21分

鍛冶職人である主人公は、中学に進学せずに鍛冶を継ぎたいという浩太を翻意させようと、自分が師匠からされた話を浩太に告げる。

問一 「進学したほうがおまえのためだ」と話しても浩太は聞き入れないだろうと考えている部分がある。いま鍛冶になることはあきらめて中学に進学するように説得してほしいと担任と母親から頼まれたのである。

問二 親方の話の真意を考えてみる。玉鋼が小さな砂鉄の集まりであるのと同じように、人間もいろいろなものが集まって一人前になる。これはさまざまな経験や苦労のことであると考えられ、無駄な経験など無いと親方は言いたかったようである。これは鍛冶を目指すかつての主人公に向けられた言葉であるが、なぜ浩太をあきらめさせることになるのか? 鍛冶になることばかりに目が向いて視野が狭くなっている浩太に対して、「今すぐにできなくてもひとつひとつ丁寧にしていけばいつかできるようになる」と、中学に進んで鍛冶以外の人生でのさまざまな経験を積むことも大事だと、主人公は伝えようとしたのだろう。

問三 「ひとつひとつはちいさいが集まれば大きな力になる」「今はできなくてもひとつひとつ丁寧に集めていけばいつか必ずできるようになる」といった表現から、砂鉄は将来の自分を形作る小さな積み重ねの例えで、ちいさな努力・経験でも地道に積み上げていけば大きな力になる、浩太にもその能力はあると伝えようとしたのだと思われる。

問四 鍛冶になることしか考えず視野が狭くなっていることを浩太に気づかせたいと考えている。鍛冶に限らず世の中には学ぶべきことはたくさんあり、時間をかけてひとつひとつ小さな努力を重ねていくことで人は成長するのだから、まずは中学に進学してさまざまな経験を積んでほしいのだと、浩太に伝えたかったのである。

攻略のポイント

記述問題には必ず手をつけて規定の字数(9割)を埋めて、部分点を得る。無理に綺麗な答案を書こうとしなくて良い。適切な読解力があれば、合格点に到達できるように作られている。思った答えをテキパキ書き進めよう。
とは言え、100字もの記述をまとめるのには経験が必要なので、過去問や類似問題で十分に練習しておくこと。
合格者平均点と受験者平均点の差が小さい、差がつきにくい試験なので、2割の配点がある漢字もミスしたくない。丁寧に学習しておこう。

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